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営業研修とは?内容と選び方を解説

2021.03.1

近年、営業力を強化するために営業研修を取り入れる企業が増えてきています。今回は営業研修について解説していきます。そもそもなぜ研修を取り入れる企業が増えてきたのでしょうか。その背景を説明した後に、研修の内容や選び方などについても説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

営業研修とは

「営業研修」とは、売り上げに直接関係する営業力を上げることを目的にとした研修です。営業パーソンのスキルやモチベーションの向上によって、組織としての売り上げを向上させることができます。

営業研修の対象は大きく二つに分けられます。それぞれについて見ていきましょう。

現場担当者向けの営業研修

営業研修の対象の一つは「営業の現場担当者」です。現場担当者向けに行う研修では、現場での営業スキルやマインドを身につけることを目的としています。

研修の内容は、基本的なマナーから、ヒアリングやプレゼンテーションなどの実践的なスキルまでさまざまです。

また最近では、オンラインでの商談も増えてきているため、営業パーソンに求められる営業力は変化しています。そのため、現場担当者の現状を踏まえた上で、目的に合わせた研修内容を選択する必要があります。

営業マネージャー向けの営業研修

営業研修のもう一つの対象は「営業マネージャー」です。

営業マネージャー向けに行う研修では、「営業組織をマネジメントする力」や「部下を育成する力」を養うことを目的としています。

近年では労働人口の不足により、自身もプレイヤーとして働く「プレイングマネージャー」が増えてきています。自分の抱える仕事だけでないため、仕事内容は多岐にわたります。そんな中、自身でマネージャーとしての知識やスキルを身につける時間が確保できないことから、研修を導入する企業が増えてきてきます。

営業研修が求められる背景

続いて、なぜ営業研修を導入する企業が増えてきたのかについて解説していきます。

営業手法の変化

営業手法は、時代の流れと共に変化し続けています。つまり、従来のやり方にこだわっていてはクライアントのニーズに応えることはできません。

営業手法の変化の要因として、営業パーソンに求められる力が変化していることが挙げられます。

以前は、商品やサービスの情報を提供することが求められていました。しかし、インターネットの普及により、クライアントは自身で情報を得ることができるようになりました。

そのため現代では、インターネットでは得られない付加価値のある情報を提供することや潜在的ニーズに応えることが求められています。

このような時代やニーズの変化に対応するために、研修を導入する企業は増えてきています。

アフターコロナへの対応

新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの営業を行う企業が増えてきました。今後、この状況が落ち着いてきたとしても、感染拡大のリスクを考えるとオンラインでの営業活動は継続されることが考えられます。

たとえ自社がオフラインでの直接営業を行おうとしても、クライアントがテレワークで仕事をしていれば、オンラインで営業をせざるを得ません。

これまでとは異なる営業スタイルを取り入れる必要があるため、研修を導入することで変化に対応しようとする企業が増えてきています。

営業研修の内容

研修内容は多岐にわたります。そのため、研修の目的や対象に合わせて適切な研修内容を選択する必要があります。

基礎研修、心構え

「基礎研修」では、営業を行う上での基本的な知識や流れを理解し、社会人としての基本的なスキルを身につけることを目的として行われます。若手社員を対象に行われることが多いです。

基礎が身に付いていない状態でいくらスキルを詰め込んだとしても、スキルをうまく利用できなければ成果には繋がりません。営業を行う上でも「基礎」を身につけることは欠かせません。

ヒアリング研修

「ヒアリング研修」では、クライアントの潜在的ニーズを的確に引き出し、ビジネスにつなげることを目的としています。

ヒアリングとは、単に質問をすることではありません。質問によってクライアントの問題や課題を顕在化し、課題に対する適切な解決策を提案するためにも必要な力です。

その他にも、クライアントとの関係構築や、クロージングの際の疑問点を引き出す力も研修を通して身につけることができます。

提案営業研修

「提案営業研修」では、提案営業に関する知識やスキルを身につけることができます。提案型営業は、単に商品・サービスを提案するのではなく、クライアントからニーズを引き出し、解決案を提案する力が要求されます。

研修ではそのために必要な、
・ニーズを引き出す「ヒアリング力」
・情報から仮説を立てる「仮説構築力」
・最終的な提案やクロージングをする「提案力」
などの実践的なスキルを身につけることができます。

マーケティング、営業プロセス研修

「マーケティング研修」では、マーケティングの基本的なフレームワークやターゲットの選定方法などを身につけることができます。そのため、すぐに実践に生かすことが可能です。

マーケティングの考えを身につけることは、マーケティング部門の方はもちろんですが、営業担当者にとっても有効です。マーケティング戦略を立ててから行う営業活動は、営業プロセスを把握と見直しも踏まえているため、営業効率の向上に繋がります。

対人対応研修

「対人対応研修」では、対人関係の構築を促進するためのテクニックやマインドを身につけることができます。

対人スキルは、クライアントに対してだけでなく、同僚や後輩、パートナーとのコミュニケーションの場でも生かすことができます。つまり、仕事でもプライベートでも役立てることができます。

営業においては、クライアントとの関係構築の場や、後輩の育成をする際に生かすことのできる研修内容です。

与信管理研修

「与信管理研修」では、与信管理に関する知識に加えて、実際に管理をする際のスキルを身につけることができます。

そもそも与信管理とは、クライアントに対して取引の代金を回収するまでに信用を与える(与信)期間の売上債権を管理することを言います。

営業パーソン一人一人が管理しておく必要がありますが、営業部の動きを把握する営業マネージャーにとっては必要な力と言えます。

交渉力研修(ネゴシエーション研修)

「交渉力研修(ネゴシエーション研修)」では、コミュニケーションや信頼関係構築の重要性を学び、あらゆる場面で応用できる力を身につけることができます。

交渉中は、どちらか一方の主張を押し通すのではなく、お互いに利益のある「Win-Winの関係」を構築することが重要です。

実際の研修では、交渉でのコミュニケーションスキルに加え、交渉に向けた事前準備やマインドを学びます。その後、実践的なトレーニングを通して、自身のクセを客観的に把握した上で修正をしていきます。

プレゼンテーション研修

プレゼンテーションを行う目的は、相手に納得してもらい、行動変容を促すことです。「プレゼンテーション研修」では、そのために必要なスキルやマインドを身につけることができます。

「マインド面」では、プレゼンテーションは誰のために、何のために行うのかなどの目的を理解することから始めます。

「スキル面」では、
・簡潔にわかりやすく「話を整理する力」
・聞き手を配慮した「表情」「姿勢」「声の大きさ・トーン」「間の使い方」「スピード」
・目的に応じた「事前準備」
などの力を、実践的なトレーニングを通して身につけていきます。

営業研修の選び方

営業研修は研修を行うことが目的ではなく、研修を通して成果につなげる必要があります。成果につながる「営業研修の選び方」について見ていきましょう。

目的を明確にする

研修内容を実際の営業での成果につなげるために、「研修を行う目的」を明確にして置きましょう。目的が明確でない状態で研修を行うと、受講者は何を学ぶのかを理解できず、モチベーションの減少に繋がる可能性もあります。

研修について考える際には、社員が抱えている課題や研修後の期待を把握した上で目的を明確にしましょう。目的に合った研修を行うことは、パフォーマンスの向上だけでなく、コストの削減にも繋がります。

対象者を明確にする

対象者によって研修の内容は大きく異なるため、「研修の対象者」を明確にする必要があります。パフォーマンスや知識レベルが異なる「マネージャー層」と「若手層」ではそもそも抱えている課題が異なります。

異なる課題を抱えた層に対して同じ内容の研修を行う場合、網羅的に研修を行うことになります。すると、研修内容が表面的なものになってしまい、根本の問題解決を行うことはできません。
「対象者を明確にすること」でそれぞれの層や課題に合った研修を選択することができます。

自社の営業手法を確認する

自社の営業手法を確認することも、営業研修を選ぶ上では重要な役割があります。例えば、自社の営業手法がどの営業手法であり、どの営業プロセスに課題があるのかを把握しておくと、その課題に合った研修を選択することができます。

また、自社の営業手法を認識しておくと、新しい営業手法を取り入れるための研修を選択すること選択肢の一つとして考えることができます。

営業研修会社選びの注意点

営業研修を行っている企業は数多く存在します。どの企業に依頼をしても必ず成果に繋がるとは限りません。研修会社を選ぶ際の注意点について見ていきましょう。

再現性のあるノウハウであるか?

研修を受けた社員が成果を出すためには、研修の内容が「再現性のあるノウハウ」であるかどうかが重要です。たとえ、理論やスキルが素晴らしくても、実践に活かせなければ研修を受けた意味がなく、無駄なコストになってしまいます。

例えば、大手企業では再現性のあるノウハウだとしても、中小企業にはそのノウハウが使えないこともあります。そのため、研修内容が自社の規模や構造に当てはまり、社員が再現できるノウハウかどうかを判断する必要があります。

業種は同じか?

営業研修会社が提供している研修内容に、自社が育成したい業種が含まれているかどうかを判断する必要があります。営業といっても、「法人営業」「個人営業」「新規営業」「既存営業」など、業種はさまざまです。

異なる業種の研修を受けたところで、実践に活かせるものは少なくなってしまいます。一方、自社と同じ業種の研修内容を受けることができれば、より専門的な知識やノウハウを得ることができます。

現在の営業手法に則っているか?

研修会社が提供している研修内容が、「現在の営業手法に則っているか」を判断する必要があります。

例えば、テレワークが普及している現在では、オンラインでの営業が主流になりつつあります。これまでに行ってきた営業手法では、クライアントのニーズに応えることができない可能性があります。
だからこそ、現在の営業手法に則った研修を取り入れることが、変化に対応していくためには必要になります。

研修目的や対象を明確にし、課題に沿った研修内容を選択する

営業研修は、研修を行う対象や自社が抱える課題によって内容が大きく異なります。

まずは研修を行う目的や対象を明確にした上で、課題に沿った研修内容を選択しましょう。また、研修会社は数多く存在するため、研修会社を選ぶ際の注意点を考慮した上で選択してみてください。

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