INTERVIEW

「病院に行くか。R-bodyに行くか。」

2020.08.10

「病院に行くか。R-bodyに行くか。」

今回、このような魅力的なVISIONを掲げる株式会社R-body project代表取締役の鈴木岳.様に、このVISIONに込められた想いをインタビューさせていただきました。

■企業名
株式会社R-body project

■代表者名
鈴木 岳.

■事業内容
スポーツ、健康施設の経営及び運営
スポーツ、健康施設の開発に関するコンサルティング業務
スポーツ用品、健康増進器具、衣料、食料、書籍・雑誌、雑貨等の企画、製造、輸出入、卸しおよび販売
スポーツ、健康に関する講演・イベントの企画、制作及び開催

■HP
https://r-body.com/

 

R-body projectVISIONは「病院に行くか。R-bodyに行くか。」だとお伺いしました。どんな想いでこのVISIONを作られたのですか?

「病院に行くか。R-bodyに行くか。」のVISIONを少し文章化すると、「病気になってから、怪我をしてからあなたは自分のお金と時間を費やしますか?病気にならないために、怪我をしないようにするためにあなたのお金と時間を費やしますか?」どっちがあなたにとって良いですか?というのがメッセージとしてあります。病院に行くより前に、病気にならないカラダを作りましょう!というのがこのVISIONの意味です。

つまり、予防医学を提唱しています。日本は国民皆保険があり、世界有数の保険サポート国家なんですよね。病気になったら、保険証持って病院に行けば、7割負担して貰える。しかも、かなり質の高い医療サポートを受けることができる。だから、病気にならないように予防することについてあまり考えないのです。病気になった後がとても手厚いので。でも、医療費が猛烈に高くなっている日本において、そんな事は言っていられないですから、「病気にならない・怪我をしない」ためにお金を費やす事に、国としても価値があるじゃないですか。それによって医療費が削減されるならば、それはとても価値があることではないかと考えています。

予防医学の鍵は「運動」と「栄養」「休養」です。そのうちの「運動」のサポートは、僕らができることだと思っています。ですので、僕らの最終的なゴールは、運動による国の医療費の削減なんですよね。また、運動によって医療の下支えをすることも僕らのVISIONの中にあります。国の医療費は削減された方が良いですが、医療は絶対に必要です。その医療の後のアフターケアとして、病院に行って治った後の再発防止のためにも運動が必要だと思っています。そんなExercise in Medicineの想いを込めてこのVISIONを掲げています。



社員のファン化はどのように実践されていますか?

上記の話を、社員が聞いたらきっとファンになってもらえると思うんですよね。

カリスマトレーナーという言葉がありますけど、僕はそこには1mmも興味が無いんです。仮に、僕が超カリスマトレーナーになったとしても、さっき掲げたVISIONは絶対に成し得ないですから。

皆が協力し合ってやらない限りさっき描いたVISIONの実現には繋がらない。自分がカリスマトレーナーになることに興味はないですが、カリスマトレーナーを育てることには興味があります。それは、カリスマトレーナーというスーパースターをたくさん集めてアベンジャーズを作りたい。ドリームチームを作りたいからです。

カリスマトレーナー1人ではなくて、組織化・チーム化する事でしか成し得ない事がしたい。だからこそ、皆がスーパースターになるための、環境を充実させています。スーパースターである皆を、アベンジャーズにして、世の中を変えようとしています。「ニッポンのトレーナーここにあり!」と言って、トレーナーのプレゼンスをあげようという話をしているので、社員もやりがいが出ているのではないかと思います。

 

社員の皆が、このVISION実現のために、活動の方向性が揃っていることを「アライメント」(方向性を一致させること)と呼んでいるのですが、どのようにVISIONにアライメントを取っていますか?

VISIONの作り方って2通りあると、ある方から教えてもらったことがあります。オーナーがVISIONを作って、メンバーに落とし込んで「これがウチのVISIONなんで、後はよろしく!」というやり方。

もう1つは、裏側でオーナーのVISIONを聞きつつ、メンバー主体で作っていくというやり方。僕らは後者のやり方でビジョンをつくっています。メンバーも会社のVISIONメイクに参加し、会社を作る一員となる文化を作ることが大事だと思っています。そのためにも、僕が日々考えていることを共有することが大事かと思っています。

僕は定期的にメンバーと話す時間を作っていますが、その他に、社内のグループLINEに鈴木岳つぶやき箱というのを作っています。僕が物事を決めるまでの右往左往しているところを見せるようにしているんです。「こっち行ったけど、やっぱこっちかな。」「迷った結果、こっちかな。」みたいに。さまよっている姿も見せるようにしたんですね。そうすると、その迷っている最中に、彼らも「こうしたらどうですか?」とか「こっちの方が良くないですか?」と参画してくるようになったんですね。僕のつぶやきに対して、彼らもつぶやき返しをするようになった。会社の文化が「参加型」になっているんじゃないかなというのが、僕が思う所です。

ですので、非常にアライメントされている感覚があります。結局、決まった事を「バン!」とメンバーに落とすと、メンバーからするとその時は「ドン!」とインパクトあるけれど、浸透するまでには時間がかかっちゃったり。結局そこにミスアンダスタンドが生まれるんだな、と思いますね。決定したVISIONも大事なんですけど、そこまでのストーリーも大事だと思っていて、なんでここに行ったの?ということを知っていると、浸透は正確かつ早い。僕がカリスマ社長になりたかったら、インパクト重視でいきなりVISIONを僕から話して「岳さん、すげえこと言ってる!」という様には見せれるけれど、そういうのには一切興味無いので。


 

顧客ファン化はどのように実践されていますか?

秦卓民さん(ENERGIZE-GROUP代表取締役)に教えて貰った本に書いてあったと思うのですが、サービスは提供してもサーヴァント(召使い)にはなるなと。僕が創業して最初の方に言っていたのは、「職人という固定概念を1回捨ててみよう!」というのがありました。例えば、昭和の職人は、「客とは喋んなくても良い。背中でモノを語れば良い。」というような考え方があるかと思います。「良いものを出していれば、喋らなくても関係無い。」

それが「The 職人」でかっこいいよね、という考え方が、僕らの業界にもあります。それは違うというのが、僕が思っている事です。僕らは職人なので、自分の知識、技術を高める事が大好きなんですよね。ただ、知識の量が仕事に繋がるのは研究者くらいのものです。僕らの仕事は目の前のクライアントのカラダが改善されて、成果を出して、喜んでくれる所まで追いかけないと行けません。そこで初めて評価がされます。「努力は自分、評価は相手」という仕事です。

「職人業である前に、サービス業であれ。」というのが、1つの鍵だと考えています。ですので、「ホスピタリティサービスをもっと学ばなければいけないな。」と昔は良く言っていました。社員の皆も「確かにそうですよね!」と共感してくれるので、そちらに大きく振っていた時期もあったんです。R-bodyに入ってくる子たちは“超いいやつ”の集まりなので、やっぱり“お客様のために!”と想って非常に献身的になるんです。「超いいやつ」であるから、献身的であるが故に、お客様の言っている事を何でも「はい!」と言ってしまう傾向がありました。サーヴァントになっているな、というのを感じていた時がありました。それは違うでしょ、とある時思いました。

「僕らのサービスで、お客様に本当の意味で喜んで貰える事って何なのか?」と言ったら、それは「お客様の身体が改善すること」です。時には、「それ違います!それはやらないでください!」って言う事も、本質的な意味ではお客様への本当のサービスだと思っています。昔は、100人いれば100人全員に僕らのやり方を気に入って貰おう!と思っていましたが、それは間違いでした。僕らのやり方を賛同してくれる人にだけ最高のサービスを提供しようと有言しました。そうしたら、それに喜んでくれた人はファンになってくれましたね。意外に、「お客様は神様」という感じで接している時は、あまりファンはいなかったかもしれない。そうやって顧客を「ファン化」する方法もあるかもしれないけれど、それは本質的じゃないし、自分達が疲弊していく。僕らとしては、それは止めようと決めました。良いものは良い、悪いものは悪いと伝える。お客様の身体がちゃんと改善する、ちゃんと向上する事を考えて提案することが本当のサービスだと思っています。それで「ふざけんな!」と言われて出ていかれちゃったらそれはしょうがないです。

一方で、それに賛同してくれた人には最高のサービスを提供しよう、と思っている事が、顧客をファン化させるキーポイントかもしれないですね。僕、26歳からトレーナー始めて、プロスポーツ選手をサポートさせてもらっていたのですが、最初の頃はサーヴァントになっていたんですよね。気がついたらサーヴァントだったんです。

選手から、「腰が痛い」と言われたら「よし!」と思って一発で治したら、「こいつまあまあやるじゃん。出来るやつかも。」という風に選手は思ってくれるんじゃないかな思って、とにかく腕だけあげようと思い、バチバチ治して信用を得て行ったんですよね。ただ、何か心の底から得られる信頼関係では無いような気がしていました。さっきの運動の話しと繋がるんですけど、「腰痛い!」と言われてバチンバチン治していくと、「治った!ありがとうございます!」とはなるんですけど、僕の手で直しても、また直ぐに元に戻っちゃうんですよ。試合に行って帰ってくると「また痛いんです。」と言われて、また治す。これを8年くらいやったんですよ。僕の腕はかなり磨かれて、選手の信頼は獲得できました。

しかし、これ本当に選手のためになっているのかなと思った時に、非常に疑問だったんですよね。痛くなってから、その痛みを瞬間的に治すと、僕のカリスマトレーナー度合いは上がります。しかし、本当にこの人のためになっているのかなと思うと、そうじゃない。だったら、そもそも痛くならない身体作りを彼らに教え込む方が彼らのためになっているんじゃないかと思って、方向転換しました。トレーニング指導の方に舵を切りました。最初は選手からブーイングの嵐でした。「全然治療してくれないじゃないですか!」なんて言われてしまった。

でも1年で証明できて、全然怪我人が出なかったんです。ちょっと肩が痛い、膝が痛い、と感じたとしても、その後に治療する時間が非常に短くできたんですよね。なぜならば、怪我をしない土台を事前に作っておいたから。結果、そうやって得た信用の方が大きかったんですよ。なので、身近な例とすごい似ているんです。風邪を引いた時に特効薬をあげるとすごく感謝されますよね。

一方で、風邪を引かないための正しいうがいの仕方を教える事は、超地味なので、その凄さに気づかないんですよね。うがいを教えてくれた人というのは、あんまりカリスマ化しないですし、その人に対しての尊敬の意ってあんまり起きないじゃないですか。でも、ある時に「あれ?今年あんまり風邪引いていないな。なんでだっけ?そういえばうがい毎日しているからだ。やっぱりあの人が言っていた事をやってよかった。すごいな!」と思ってもらえれば、その人の信頼というのは遅れながら獲得できます。そうやって得たファンは離れないんじゃないかなって思うんですよね。根本と本質を捉えて、本気で大事な事を提供すると、顧客がファン化するのかなと思います。

 

今のコロナの時期で、どのように時代に適応し変化しようとされていますか?

実は、コロナは僕らにとっては追い風だと思っているんですよ。この世の中で、「トレーニングをしに行くために、どこかに行かなくちゃ。」「トレーニングをするために、誰かに教わらなくちゃ。」という文化が良い意味で崩壊すると思っています。

なぜならば、トレーニングしようと出かけようとしても出かけられない。もともとのR-bodyのコンセプトは「自分の身体を自分で管理できるようになる」、という事なんですよね。それがコロナによって、強制的にそうならざるを得ない形になったじゃないですか。「抗体が・・・」「検査薬が・・・」となっていますけど、それも重要なことですが、そもそもコロナにならなきゃ良いのです。「なってからどうする?」という思考回路になっていますが、そもそもならなきゃ良い。ウイルスなんてまたやってきます。その時に、ウイルスに負けないカラダであることが重要じゃないですか。それってどうしたら良いんですか?というと、免疫力を上げなきゃいけないですよね。免疫力を上げる一番根本的なものは何ですか?というと、運動と栄養と休養です。つまり、今は「運動やらないとだめですよ!」という文化が非常に根付きやすい。

運動するとして「よし!ジムに行こう!」も大事なのですが、「自分で出来る様になるために教わりに行こう」、「そのためにトレーナーと会おう」という状態になっていると最高ですよね。トレーニングジムとは、「運動を“する”場」から「運動を“学ぶ”場」という風に強制的書き換えるのが、このコロナだと思っています。僕達R-bodyの施設名は、「R-body Conditioning Center」という名前でしたが、2020年7月から「R-body Conditioning Academy」という名前に変わりました。それはなぜかというと、ここは学びの場だというメッセージを発信したかったからです。「怪我しない身体作りを学びたい人」「身体作りを教えたい人」達が集う場所にするというメッセージの元、名称を変更しました。それがコロナと被ったので、実はすごいタイミングだったんです。

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