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営業力を強化するには?方法とコツを解説

2021.03.3

近年、「営業力強化」という言葉をよく耳にするようになりました。

今回は、「営業力を強化する」とは、具体的に何をどのようにすることなのかについて説明していきます。

営業に必要な要素や営業力を高めるための方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

営業力とは

「営業力」とは「商品・サービスを売る力」と定義することができます。一昔前までは定番型商品を売ることが営業に求められていましたが、現代においてはクライアントの多様化したニーズに合わせた営業が求められます。

つまり、「営業力」とは単にモノを売る力ではなく、「営業活動全体を通してクライアントに価値を提供する力」と定義することができます。

また、営業力は「個人の営業力」と「組織の営業力」があります。

個人の営業力とは

個人の営業力とは、文字の通り「個人に求められる営業力」のことを言います。つまり、営業パーソンが、見込み客からの契約獲得のために求められる「営業活動全体を通して必要な総合的な力」のことです。

個人の営業力を高めるためには、個人の努力や個別指導が必要になります。具体的な策として、ビジネス書を読むことやロールプレイングでトレーニングすることなどが挙げられます。

組織の営業力とは

組織の営業力とは、「企業やチーム単位での営業力」のことを言います。

営業力は個人の努力だけでなく、組織としての営業力を強化する必要があります。組織としての取り組みが、結果的に個人の営業力の向上にも繋がります。

チームで成果を上げるためには、メンバーそれぞれが組織として目指す姿を具体的にイメージし、組織内で共有することが必要です。

また、組織として営業力の強化を行うことで「売り上げが安定しない」「営業がブロックボックス化している」「教育が難しい」などの課題を解決することもできます。

営業力に注目するべき理由

昨今、営業力の強化が注目されるのには理由があります。いくつかの理由について詳しく見ていきましょう。

商品力以外で差別化するため

一つ目の理由は、商品力以外で差別化するためです。たとえ、他社と似たような商品やサービスを販売している場合であっても、営業パーソンの営業力で差別化をすることができます。

営業パーソンの人柄も営業力の一つです。ハキハキしていて気持ちがいいか、時間や納期を守っているかなど、当たり前に思われるようなこともクライアントとの信頼関係の構築には欠かせません。そのほかには、クライアントにとって有益な情報を提供することや、クライアントのニーズに合わせた提案をすることも差別化のポイントです。

提案営業において必要であるため

二つ目の理由は、提案営業において必要であるためです。クライアントの課題に対して解決策の提案を行う提案型営業においては、営業力が求められます。

商品やサービスに興味を持ってもらっても、解決策の提案やクロージングがうまくいかなければ契約を獲得することはできません。

営業における、ヒアリング力や提案力、クロージング力も営業力に含まれます。それぞれの力の強化することで総合的な営業力を身につけることができ、契約獲得に繋がります。

属人的となるのを防ぐため

三つ目の理由は、属人的になるのを防ぐためです。個人の営業が当たり前になっている環境では、営業活動が属人化する可能性があります。

そもそも属人化とは「ある業務(営業など)を特定の人が担当し、その人にしかやり方がわからない状態」のことを言います。

属人化が進むと、
・ノウハウが社内に残らない
・PDCAサイクルを回すことができない
・育成に余計な時間やコストがかかる
などの問題が起こります。

しかし、組織としての営業力に注目することで情報共有や育成を行うようになり、属人化を防ぐことができます。さらには、企業全体の営業力の向上にも繋がります。

営業力の要素

営業力とは一つの力から成り立つのではなく、いくつもの力を必要とします。営業力の要素を一つずつ見ていきましょう。

商品知識

営業を行う上で、自社の商品・サービスについての「商品知識」は欠かせません。

しかし、営業力がある人は、自社商品の知識にとどまりません。自社の商品・サービスについての知識に加えて、競合他社の商品・サービスについても把握しています。「クライアントの役に立ちたい」という想いがあるからこそ、常に最適な提案ができるように幅広い知識を持っています。

業界知識

商品知識と同様に「業界知識」を持っておくことも重要です。クライアントのニーズが多様化している現代においては、商品・サービスの良さをアピールするだけでだけでは興味を持ってもらえません。

営業力がある人は、クライアントの業界事情に精通していたり、業界特有の問題についての知識を持っていたりします。それらの知識があることで、自社の商品・サービスが、どのようにクライアントの悩みや問題を解決するのかを説明しやすくなります。

また、クライアントにとっても話が理解しやすいという状況を作ることができます。

聞く力

営業において、最重要と言っても過言ではない力が「聞く力」です。「営業は、話し上手より聞き上手の方がうまくいく」ということをよく耳にします。

聞き上手とは、単に相手の話を聞くことだけではありません。クライアントの話を親身になって聞くことはもちろんのこと、クライアントが何に困っているのかを聞き出す力も含まれます。

また、営業力がある人はクライアントの悩みや課題を聞き出す際に、商品知識や業界知識を補助的ツールとして利用します。その結果、クライアントに親身になっている姿勢が伝わります。

話す力

聞くだけでは営業は進まないため、もちろん「話す力」も重要です。

営業における話す力とは、「饒舌に話す力のこと」ではありません。クライアントが「理解できる・イメージができる・興味が湧く」ような話し方が重要になります。また、自分の話したいことを話すのではなく、相手主体に話を進めていくことが求められます。

営業力がある人は、相手に理解してもらうためにいくつかの工夫をしています。

例えば、
・専門用語は理解しやすい言葉に言い換える
・曖昧な表現は使わない
・相手が知りたい情報から話をする
・具体例とともに説明をする
などが挙げられます。

予測力

営業での臨機応変な対応をするためには「予測力」が必要です。

そもそも、予測力とは「クライアントのニーズを先回りして予測する力」のことです。

また、営業の中で起こりうることを予測する力も含まれます。営業を行う前には、市場動向の予測から仮説を立て、営業を進めていきます。

営業中には、クライアントの反応から都度都度起こりうることを予測することで、ニーズに合わせた話をすることができます。

これらの行動は、ビジネスに対する真剣さやクライアントの成功や成長への責任感の表れとも言えます。

解決力

クライアントは、自社が抱えている課題に対する「解決力」を求めています。

営業を行う中で、売り上げが上がらないという課題が生まれることもあります。この際に自社商品を売り込むことを目的にすると、クライアントには受け入れてもらえません。

営業力がある人は、「クライアントの課題解決をすること」を営業の目的にしています。そのため、クライアントの課題が何かを把握し、常にどのようにしたら解決できるのかを思考しています。それらの思考から仮説検証を繰り返すことで、課題解決に近づくことができます。

マネジメント力

営業における全ての工程を管理する「マネジメント力」は重要な力です。クライアントからヒアリングする、課題を把握する、解決策を提案する、クロージングを行うなど、これらの流れを計画的に進める必要があるからです。

また、実際に営業を行う際だけでなく、営業前や営業後にもマネジメント力は必要です。いつまでに何をする必要があり、どのように進めていくのかを計画立て、最適な道筋で進むようにコントロールする力が求められます。

営業フローに応じた営業力

営業活動は「見込み客の獲得」「初回商談」「クロージング」「アフターフォロー」と順に進んでいくことで契約の獲得に繋がります。契約を獲得するためには、それぞれのフローに応じた営業力が必要です。

見込み顧客獲得で必要な営業力

営業の機会を獲得するためには、見込み顧客の獲得は必要不可欠です。その際に、重要になることは「連絡」です。連絡手段は、電話、メール、ダイレクトメール(DM)などがあります。

営業力がある人とそうでない人には違いがあります。
営業力がある人は、見込み顧客が連絡の取りやすい連絡手段で連絡をします。また、連絡をした際には、連絡をした理由をきちんと伝えます。

一方、そうでない人は、自分が利用している一つの連絡手段で連絡をし続けます。さらに、電話が繋がらなかった際のアフターフォローはありません。

これらの違いから、見込み顧客の立場で連絡をしているかどうかが重要であることがわかります。

初回商談で必要な営業力

初回面談では、クライアントの信頼関係の構築する力になります。はじめは、全くの見知らぬ相手の話に聞く耳も持ってくれない状況です。だからこそ、いきなり商品・サービスの提案をする必要はありません。クライアントが何に困っているのかに真摯に耳を傾けることが重要です。すると、「貴社のパートナーとして一緒に問題解決を行い、貢献をしたい」という姿勢が伝わります。

クロージングで必要な営業力

クロージングで必要な力は「決断力」と「ヒアリング力」です。クロージングを行うタイミングに正解はありません。

たとえ、その場で契約という答えが出ていなくても、前向きな流れで話が進んでいれば一度場を締める必要があります。そのタイミングはご自身で決断するしかありません。

また、クロージングの際にクライアントに不安が残っていれば契約には繋がりません。的確にヒアリングを行うことで、クライアントの不安を解消してあげることが必要です。その結果、クライアントは満足した状態で契約を交わすことができます。

アフターフォローで必要な営業力

営業は契約を取ることがゴールではありません。アフターフォローを行うことで更なるビジネスチャンスが広がります。納品後に不自由なく商品・サービスを利用できているか、活用している中でのお困りごとはないかなどを把握する力が求められます。

また、その対応をする際のレスポンスの早さが重要になります。その積み重ねが信頼を醸成し、リピート率の向上やアップセルのチャンスの獲得へと繋がります。

ただ、アフターフォローをすることがメインの業務にならないようにする必要があります。本来の業務に割く時間が大幅に削られてしまっては本末転倒です。

営業力を高めるための方法

営業力を高める方法は、個人へのアプローチだけではありません。組織として取り組むことによって、企業としての営業力の向上、さらには個人の営業力の向上にも繋がります。いくつかの具体的な方法を見ていきましょう。

チームで役割分担する

営業力を高めるために、まずは「チームでの役割分担」をしましょう。役割分担を明確にすることでチームメンバーは自分の責任と権限を持つようになり、自分のタスクに集中することができます。また、タスクのダブりもなくなるため、時間的コストの削減にも繋がります。

適切な役割分担を行うためには、目的の明確化が必要です。また、目的が明確になることにより、各メンバーは目的に沿って仕事を行うことができるため、自分のタスクを明確にしやすくなります。

情報・ナレッジ共有を促進する

「情報・ナレッジを社内共有」することは、チームとしての営業力の強化に繋がります。なぜなら、チーム全体の課題を顕在化することができるだけでなく、担当者の変更があった場合の対応や新人の育成にも効果的だからです。

具体例として、「チームリーダーを主体に、定期的な勉強会を開催すること」が挙げられます。ベテランにとっても新人にとっても新しい気づきがあるので、相乗効果を生むことができます。

管理ツールを導入する

最近では、営業活動支援を目的とした「管理ツール」が幅広い業界で導入されています。営業を成功させるためには、タスクの進捗を管理することは欠かせません。

タスクの管理システムは、担当者ごとに現状のタスクや進捗状況を見える化することや、プロジェクトごとにタスクを管理することができるため、効率的な仕事を進めることができます。

また、顧客情報の管理・分析を行うツールなどもあります。

管理ツールを導入することで、日頃の業務を効率化することができ、個別での営業力の強化に時間を割くことができるようになります。

さまざまな営業手法にトライする

一つの営業手法にこだわらず、「さまざまな営業手法にトライすること」も営業力の向上に繋がります。

営業手法の種類だけでも数多く存在します。
・訪問営業
・電話営業
・ウェビナー営業
・紹介営業
・代理店営業
・インサイドセールス
・マーケティングセールス
などです。

それぞれの営業手法にはメリット・デメリットがありますが、さまざまな営業手法にトライすることで、個人としても組織としても営業スキルの幅は広がります。

評価制度を導入する

「評価制度」は、メンバーのモチベーションや活動に直結するものです。評価のために仕事をしているわけではありませんが、人間は正当な見返りを求めてしまうものです。

現状の評価精度が正当なものかどうかを見直すことは、営業力の強化に間接的に繋がります。

また、一度評価制度が完成したとしても、モチベーションにつながる評価基準を分析し、定期的に更新する必要があります。評価する側も評価される側も評価基準がわかりやすいものにしましょう。

新人にも積極的に任せる

組織としての営業力を伸ばすためには、新人の成長が必要不可欠です。だからこそ、新人にも積極的に任せてみましょう。

いくら仕事のやり方を口頭で詳しく説明したとしても、言葉だけで理解できる人はなかなかいません。実際にやってみることで言われたことの納得感が増したり、改善ポイントが見つかったりするものです。

また、実践で見つかった疑問や不安に対する新人からの質問に、上司や先輩が真摯に向き合うことでチームとしての営業力の強化にも繋がります。

新人を育成する体制、仕組みを作る

新人を育成する体制や仕組みを作ることで、新人は継続的に営業力を強化することができます。

まずは、社内で一貫性のある教育体制を作ることから始めましょう。人によって教育方針が異なると、新人は混乱してしまい、成長までに時間がかかります。一貫した教育体制の元では、新人は誰にでも相談ができるため、早期の成長につながります。

また、OJTなどの教育方法の場合、現場での先輩の姿を見ながら学ぶことができるので、研修内容と実際の仕事内容に差が生じにくくなります。その結果、即戦力として営業を行えるようになります。

効率よく営業力を強化するために

営業力の強化には、個人の努力だけでなく、組織としての取り組みも必要不可欠です。

個人としては、営業に必要な要素を踏まえた上でトレーニングを行うと、効率よく営業力を強化することができます。

組織としては、これまでの取り組みを見直し、改善することが結果的にはチームの営業力だけでなく、個人の営業力の強化に繋がります。いくつかの方法を試しながら、ぜひ取り組んで見てください。

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