COLUMN

ソリューション営業とは?営業手法の特徴とプロセスを解説

2021.03.3

時代の変化に合わせて様々な営業手法が誕生しています。皆さんの会社ではどの営業手法が主流となっているでしょうか。

今回解説するのは「ソリューション営業」という営業手法についてです。日本では2000年あたりに浸透してきたキーワードです。

ソリューション営業に関しての知識を覚えておきたいと考えている方に向けて、実際にソリューション営業を行う上でのステップや必要な能力などを紹介していますので、是非参考にして下さい。

ソリューション営業とは

まず「ソリューション営業」とはどういう営業手法なのか、他の営業手法と比較しながらご紹介します。

ソリューション営業とは

ソリューション(Solution)が「問題解決」と訳されるように、ソリューション営業は顧客自身も気付いていない本質的な課題や潜在ニーズをヒアリングによって引き出し、その解決策として自社の商品・サービスを提案する営業手法です。

単に商品・サービスを売るのではなく、顧客の課題解決に重点が置かれています。つまり、顕在ニーズに営業主体でアプローチをしていた従来の営業手法とは異なり、「顧客主体」かつ潜在ニーズにアプローチできる「プル型営業」です。

プッシュ型営業

プッシュ型営業とは、従来の営業のように企業自ら顧客へとアプローチをする営業スタイルのことを指します。電話でアポを取ったり、飛び込みをしたりと営業パーソンが顧客へ能動的にコンタクトを取り成約に繋げます。

顕在化した見込み顧客への営業です。

プル型営業

プル型営業とは、顧客が自社の商品・サービスなどに自発的に興味関心を持ち、顧客側から企業へとアプローチをしてもらう営業スタイルのことです。顧客がWebサイトやセミナーに訪問したり、問い合わせをしてきたところでコンタクトを取り、成約に繋げます。

自社へ関心のある顧客を集めることができ、潜在顧客への営業が可能です。

御用聞き営業との違い

御用聞き営業は顧客のニーズに応じて注文を受け、その要望通りに自社の商品・サービスを提供する営業手法です。

昔から取引が続いている得意先によく用いられる営業手法で、定期的に顧客の元を訪問する「プッシュ型営業」にあたりますが、顧客の顕在ニーズに合わせて頼まれた通りの商品・サービスを提供するので、「顧客主体」の営業と言えます。

ソリューション営業は「顧客主体」の「プル型営業」であり、潜在ニーズに対する解決策を提案するため、御用聞き営業とは異なります。

提案型営業との違い

提案型営業は顧客が抱える課題や顕在ニーズに対して自社商品・サービスを提案する営業手法です。

営業パーソンが自ら売り込みを行い課題解決の手段を提案するため「プッシュ型営業」にあたります。

ソリューション営業とは「課題の解決策として自社商品・サービスを提案する」という点で同じです。

しかし、提案型営業は顧客が認知している課題や顕在ニーズへのアプローチであるのに対し、ソリューション営業は顧客も気付いていない本質的な課題や潜在ニーズにアプローチする点が異なります。

ソリューション営業が求められる背景

多様な営業手法がある中、どうしてソリューション営業が求められているのでしょうか。
その背景を確認していきましょう。

商品の差別化

現代ではモノが溢れコモディティ化が進んでいます。また、インターネットの普及により情報の獲得も容易なため、商品の差別化が難しくなっています。そのため、顧客の潜在ニーズや課題に対してアプローチできることが付加価値になるのです。

予算減少

不況によって人も企業も「本当に必要なモノ」を購入するようになりました。予算の減少により、消費行動が活発に行えない状態では、自社の商品・サービスを選んでもらうための競争が激化します。そこで、他社と差をつける営業手法が求められているのです。

営業プロセスの多様化

AIやIT技術の発達、ニーズや価値観の多様化などに伴いビジネスを取り巻く環境は変化しています。営業プロセスは多様化し、課題も複雑化していますが、ソリューション営業は複雑なビジネスモデルにも対応することができます。

ソリューション営業の進め方

実際にソリューション営業を進める上でのステップを確認していきましょう。

分析

まずは顧客が置かれている現状について事前に情報を集めておくことが大切です。
基本的な顧客情報だけではなく、市場や業界、競合などの情報についても正しく把握した上で調査・分析を行い、予め顧客が抱えている課題やニーズに対して仮説を立てておきます。

この事前準備で調査・分析を丁寧に行い、顧客と認識を揃えておくことでその後のステップをスムーズに進めることができます。

ヒアリング

顧客が抱えている課題やニーズのヒアリングを時間をかけて丁寧に行いましょう。事前準備で調査・分析した情報や立てた仮説とヒアリングで得た情報を照らし合わせ、潜在ニーズの手掛かりを探ります。

現場のメンバーとリーダーやマネージャーのような事業責任者とでは、認識している課題やニーズにズレが生じている可能性があります。そのため、全体を俯瞰して見れている事業責任者からヒアリングを行うのが効果的です。

仮説提示

事前準備で立てた仮説やヒアリングによって手に入れた情報を元に、顧客の抱える本質的な課題や潜在ニーズについての仮説を立てます。また、顧客にその仮説を提示して、認識のズレがないかを確認しましょう。

ここで認識がズレていると、見当違いな解決策を提案することになってしまうだけではなく、顧客との信頼関係にも影響してくるため、ここでしっかりと認識を擦り合わせておくことが大切です。

解決案提示

顧客の抱える本質的な課題や潜在ニーズが明らかになったら、最後に自社の商品・サービスを交えて具体的な解決策を提案します。自社商品・サービスを売るためではなく、あくまでも顧客の課題解決を主眼において提案を行いましょう。

商品・サービスの機能、提案した解決策の有効性、どんな問題をどのように解決するのか、導入のメリット・デメリット、など顧客に納得してもらえる説明を行う必要があります。

ソリューション営業に必要な力

ソリューション営業を上手く機能させるためには、どのような能力が求められているのでしょうか。

ここでは必要な能力を4つご紹介します。

仮説立案

顧客が納得できる提案を行うためには、ヒアリングなどで集めた情報を元に顧客が本当に望んでいる顧客自身も言語化できていないニーズや本質的な課題を仮説立て、さらにその解決策として自社の商品・サービスがどのように活かせるのかを仮説立てる力が必要です。

多角的な視点から仮説を立てることで、顧客との擦り合わせや真のニーズの発見に繋げやすくなります。

リサーチ

顧客が抱える本質的な課題や潜在ニーズを明らかにするには、顧客が置かれている現状を入念にリサーチしておくことが大切です。

そのため、顧客についての情報のみならず、業界や市場の動向、競合はどこか、ボトルネックはなにか、似たような前例はないか、など事前に必要な情報を調査・分析できる力が求められます。この事前情報とヒアリングした情報を合わせて分析することで明らかにしていきます。

コミュニケーション

顧客は信頼関係のない相手に対して、自ら深い事情を話してはくれません。勿論、提案を受け入れてもらうことも難しいでしょう。そのため、顧客に合わせて柔軟に対応し、信頼関係を築きながら本質的な課題やニーズを引き出すコミュニケーション能力が求められます。

顧客が心を開き、対等にやりとりできる信頼関係があってこそソリューション営業は機能するのです。

問題解決力

ソリューション営業を成功させるためには、顧客が抱えている本質的な課題やニーズに対して効果的な解決策を自社の商品・サービスとリンクさせ、顧客が納得できるようその有効性を示しながら提案できる力が必要です。

課題の把握や顧客が求める成果のイメージを掴めたら、それらを構造化します。なぜその問題が発生しているのか、どの問題をどう解決すればどのような結果になるのか、といった因果関係を明確に整理することが大切です。

まとめ

事前調査やヒアリングによって顧客の抱えている本質的な課題や潜在ニーズを明らかにし、その解決策として自社の商品・サービスを交えた提案を行う「ソリューション営業」という営業手法についてご紹介しました。大切なことは、信頼関係の構築と顧客の立場に立って課題解決を考えることです。

ソリューション営業は従来の営業手法より高度な技術が求められますが、その分メリットも大きい営業手法になります。導入する際には是非、今回ご紹介したことを確認して役立てて下さい。

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