COLUMN

営業パーソン育成に必要なものとは?育成のステップとコツを解説!

2021.03.3

営業パーソン育成とは

営業活動に携わる人材を育成する「営業パーソン育成」は企業の人材育成における重要なテーマとなっています。

今日の営業職では高いレベルが求められており、新人社員・中途社員問わず優秀な人材の才能を最大限発揮するためには、マネージャーやリーダーによる育成や環境の構築が大切です。

営業パーソン育成が必要な理由

営業は企業の業績に大きく影響するものであり、営業パーソン育成は企業の成長や差別化に繋がる大切なテーマです。こうした営業パーソン育成が現在必要とされている理由を見ていきましょう。

過去の経験に基づいた指導に限界

現在マネージャーやリーダーを務めている世代がかつて成功していた方法・ノウハウは、現代の価値観や風潮、営業手法の変化、「数」より「質」が重視される今日の営業環境などに伴い通用しなくなってきています。

経験則による人材育成では限界があるため、改めて営業パーソン育成の意識と環境づくりを行うことが大切になります。

「背中に学ぶ」が通用しない

スピード感ある現代社会では合理的、効率的な方法が求められています。

即戦力となる優秀な営業パーソンを育てるためには組織全体で人材育成に取り組むことが大切です。

昔と違い、人材の入れ替わりも激しくなっているため「先輩の背中を見て学ぶ」といった個人の実践頼りの方法では、時間もコストもロスとなります。

入社年次によるバラつきを防ぐ

行き当たりばったりな育成方針や個人個人についた先輩、上司の指導方法の個人差によって育成が左右される可能性があります。

また、経験の差は営業ノウハウの属人化に繋がります。入社年次によって営業力や営業成績にバラつきが生じるのを防ぐためには、営業パーソン育成が大切になるのです。

外部環境や手法の変化にキャッチアップする

現代では商品・サービスのコモディティ化により他社との差別化を図ることが難しくなっています。

また、顧客自身が課題やニーズを認識できていないケースが増えており、それに伴って営業手法も進化を遂げてきました。そのような変化に合わせて、高い営業力が求められているため、営業パーソン育成の重要度も高まっているのです。

マニュアルを作り読み合わせる

営業パーソン育成には知識や営業スキル、ノウハウを体系的に学ぶことのできるマニュアルが求められています。

マニュアルがあるということは、組織の中に人材育成のノウハウがしっかり蓄積されているということであり、営業活動における基本的なセオリーやスキルは等しくそこから学べるということになります。

営業パーソン育成のマニュアルを持つ企業は少ないこともあり、その重要性が高まっています。

営業パーソン育成のステップ

営業パーソンを育成する上での流れをご紹介します。
ここでは5つのステップに分けてご説明します。

できる営業とできない営業の区別

まずは「できる営業」とはどういうものか、「できない営業」とは何が違うのかを認識しておきましょう。

事前準備

「できる営業」は事前準備を徹底して行います。自社の商品・サービスの深い知識だけではなく、取引相手の情報(企業、商品・サービス、業界、競合など)や時事ネタなどもチェックしています。

現状把握

「できる営業」は自身の健康管理やスケジュール管理、携わっている案件の進捗、次にやるべき行動、目標達成までの進捗など常に現状の把握ができています。

行動力

「できる営業」は適切な目標を設定し、そこから逆算して行動しています。また、連絡や依頼に対するレスポンスが早い、PDCAサイクルを回して常に行動と振り返りを行っている、など高い行動力を発揮しています。

できる営業のプロセス分解

次に「できる営業」について、どのような手順で行われているのか、そのプロセスを細かく分解します。

営業活動における一連の流れを細分化し、フロー図や言語化などによって誰もが見て分かる体系的な状態に「可視化」をすることで、各プロセスで行われている具体的な行動を明確に共有することが出来ます。

例)
「見込み顧客リストの作成」→「アプローチ」→「アポイント獲得」→「事前準備」
→「商談」→「見積もり・提案」→「受注」→「納品」→「アフターフォロー」

これにより「できる営業」の標準化を図ることができる他、上手くいかない理由や課題はどこにあるのか、目標達成のために必要なネクストアクションは何か、などを導き出しやすくなります。

各プロセスのKPI化

「できる営業」を基準として各プロセスにKPIを設定します。

KPIは目標達成までの進捗を定量的に管理・評価するための指標です。
例えば「アプローチ500件」「受注率40%」「商談50件」といった形です
これにより目標達成への手段が明確になり、チーム全体で進捗の共有がしやすくなります。
KPIの設定には「SMART」を意識しましょう。

Specific(=具体的な)
Measurable(=計測可能な)
Achievable(=達成可能な)
Related(=関連した)
Time-bounded(=期限のある)

KPIごとのボトルネックの発見

各営業パーソンが出した実績と「できる営業」を基準に設定したKPIとで数字に大きな差があるところ(=ボトルネック)がないかを振り返ります。

大きな差があったところはその営業パーソンの苦手や弱点である可能性が高いです。そのため、ボトルネックをいち早く発見して課題解決や指導を行うことが人材育成や営業活動の最大化において重要になってきます。

育成に受け身となってしまわないよう、ボトルネックの解消はその営業パーソンと共に行いましょう。

ボトルネック解消に必要なスキルや知識の習得

ボトルネックを発見したら、その営業パーソンと共に仮説を立て、改善策を考えましょう。そのボトルネックが営業パーソン個人に起因するものであれば、解消に必要なスキルや知識を習得する必要があります。

大切なことは、なぜこのような結果になったのか、どうすれば改善されるのか、なぜこのスキルが必要なのか、など根拠を持って取り組むことです。一方的に教えるだけの指導によって受け身な営業パーソンにならないよう注意が必要です。

営業パーソン育成の方法

営業パーソンを育成する方法には具体的にどのような手段があるのでしょうか。
具体例をいくつか挙げていますので確認していきましょう。

ロールプレイング

それぞれの営業プロセスにおいて、営業パーソン役と顧客役に分かれてロールプレイングを行う方法です。

いざ顧客を前に営業をしてみると、上手く納得してもらえる説明ができなかったり、望ましい対応を行えずクロージングまで辿り着けなかったりします。

そのため、実際のシチュエーションを想定してより具体的なロールプレイングを繰り返し行うことが大切です。

ロールプレイングによってコミュニケーション能力の向上や現実に起きるイレギュラーに臨機応変に対応するトレーニングになります。また、各メンバーが行う営業活動を第三者視点で確認することができるため、強みの発見や良い点の共有、改善点の修正などをその場で行うことができます。

OJT

OJTとは「On The Job Training」の略で実際の業務や現場を通じて育成を行う方法です。
先輩や上司とマンツーマンで行われるため、指導者の負担が大きく、育成の質は指導する人によって左右されてしまいます。

しかし、個人に合わせた育成が可能である、実務を通じての指導ゆえに即戦力を育成しやすい、指導側のスキルアップに繋がる、など多くのメリットがあります。

OJTは以下の4つの段階で行うのが基本となります。

1.Show(やってみせる)

指導者が先ずやってみせることで、具体的なイメージをつけてもらいます。

2.Tell(説明する)

詳しいやり方やノウハウを説明します。

3.Do(やらせてみる)

実際に育成メンバーにもやってもらいます。

4.Check(確認する・追加指導)

評価やフィードバックを行い、追加の説明や指導を行います。

適正診断(ストレングスファインダー)

適性診断をメンバーに受けてもらうこともおすすめです。

中でもストレングスファインダーは、自身の適性や性格、強み、才能などを大きく「行動力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考」4つのグループ、34の資質から分類・特定してくれる診断ツールです。自身の性格や強みを認識し、それに合った分野で活動することで生産性の向上や高いパフォーマンスの発揮が見込めます。

また、メンバーそれぞれに合わせたマネジメントができるようになるため、各々の得意分野にて効率的な育成を行うことができます。結果的にメンバーの自信や充実感、自己肯定感を高めることにも繋がるので、営業パーソン育成するにあたり適性診断を導入するのは効果的です。

マニュアルの読み合わせ

営業マニュアルは営業のノウハウが集約・蓄積された企業の財産ともいえるものです。

営業活動の基準を明確化させるだけでなく、「いつ」「何を」「どのように」指導すれば良いのか、あるいは学べば良いのかを明確にし、育成のバラつきを抑えます。

また、成果を出している営業パーソンのノウハウをマニュアルに反映すれば、チーム全体にノウハウの共有を行うこともできます。

営業マニュアルがないと、わからないことは全て先輩や上司に質問しなければならず、同じ質問やコミュニケーションが繰り返されることになります。営業マニュアルを読み合わせることで、そういったコミュニケーションコストの削減や営業力の土台作り、早期育成などに期待できるのです。

外部業者による座学

「営業で成果を出している」=「人材育成でも成果を出せる」とは限りません。

自社に営業パーソン育成のノウハウが不足している場合は、外部業者による営業研修サービスを利用する方法も視野に入れておきましょう。

場面やニーズに合わせて様々な研修を用意していることが多いため、営業職に必要な知識やスキル、ノウハウを効率的にインプットすることができます。

また、組織内では手に入らなかった外部情報や新たな視点が手に入る可能性もあるため効果的です。

まとめ

ここまで営業パーソン育成について、その必要性や方法などをご紹介しました。営業は企業の業績を支える大きな柱ですが、今日の営業職に求められるレベルは高まっており、営業パーソン育成は人材育成の中でも重要なテーマになっています。

「豊富な営業ノウハウを持ったトップセールスだから人材育成も強い」とは限らないため、組織全体で育成環境の構築や仕組み作りに取り組むことが大切です。是非、今回ご紹介した方法を優秀な営業パーソン育成の参考にしてみてください。

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