COLUMN

インサイドセールス育成に必要なものとは?セールスの基本と人材教育方法を解説

2021.03.3

近年よく耳にする「インサイドセールス」。新型コロナウイルス流行の背景もあり、営業活動の効率化や成約率の向上が見込める営業手法として大きく注目されています。

しかし、インサイドセールスを上手く機能させるためには個々のスキルのみならず、チームプレイが求められるため、「人材育成」が非常に大切なカギとなります。

今回は、人材育成の観点からインサイドセールスで活躍する社員を育成する方法や考え方についてご紹介致します。インサイドセールス人材を育成するメリットや育成ポイント、注意点などをまとめていますので是非参考にしてください。

インサイドセールスとは?

顧客の元へ訪問する従来の営業とは異なり、電話やメールなどのオンラインツールを用いてリードへのアプローチや関係構築を行う非対面の営業活動です。内勤営業と呼ばれることもあります。

営業活動の全てのプロセスをインサイドセールスのみで完結させるパターンもありますが、ここでは一部にインサイドセールスを導入した分業パターンをご紹介します。

インサイドセールスのプロセス

従来の営業活動では

①見込み顧客の発見(リード獲得)
②見込み顧客へのアプローチ(関係構築)
③案件の発掘・醸成(リードの精査)
④見積もり・提案
⑤受注・納品(クロージング)

といった流れを一手に行っていました。

インサイドセールスでは、電話やEメール、DMやWeb会議ツールといったオンラインツールを用いて見込み顧客へのアプローチを行います。

そこで相手との関係構築を図りながら、抱えている課題やニーズの確認・精査を行い、成約可能性の高い見込み顧客(ホットリード)をフィールドセールスへと引き継ぎます。つまり、社内にて主に①②③を手掛けるのがインサイドセールスとなります。

インサイドセールスとフィールドセールスとの境界

従来営業パーソンが1人で行っていた①~⑤の営業活動を分業したものがインサイドセールスとフィールドセールスです。

インサイドセールスが引き継いだ成約可能性の高い見込み顧客に対して、実際に顧客の元へと赴き「④見積もり・提案」「⑤受注・納品」を行うのがフィールドセールスになります。

つまり、社内にて①②③を行うのがインサイドセールス、社外で④⑤を行うのがフィールドセールスです。

インサイドセールスに求められる人材像

インサイドセールスは非対面で顧客とのコミュニケーションを取ることになります。

フィールドセールスで求められるような高い提案力や交渉力、プレゼンテーション力よりも

①非対面の相手と関係構築ができる丁寧かつ気遣いのあるコミュニケーション
②的確な情報の提供・収集などの情報処理
③オンラインツールを用いた正確なオペレーション
④他部門(マーケティングやフィールドセールスなど)との連携ができる協調性

などが求められます。

インサイドセールスの人材育成のメリット

インサイドセールスの人材を育成することで一体どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。

個人の能力アップ

インサイドセールスでは、相手の表情や動き、感情などを読み取ることが難しい非対面の環境下で顧客との関係構築や課題・ニーズのヒアリング、自社商品・サービスの紹介などを行います。

そして、そのコミュニケーションの中で顧客の興味を惹き、関心を高めるという高度なパフォーマンスが求められます。

そのため、インサイドセールスの人材育成によって非対面でも売れるスキルを習得することが可能となり、個人の能力アップに繋がります。

チームの総合力アップ

インサイドセールスの人材が育成されることによって、営業活動をマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスといった形で分業化することができます。

これにより各々が得意な分野を分担し、その業務に集中することが可能となります。

加えて、インサイドセールスは情報の共有や連携がとても重要となるため、営業活動の属人化を防ぎ、チームの総合力アップや営業成果の最大化に繋がります。

時間コストの削減

インサイドセールスはオンラインツールを用いた非対面の営業活動であるため、顧客の元へ訪問する必要がありません。

これにより、電車や飛行機などの移動時間が削減されるだけでなく、移動費や出張費の削減にもなります。

また、フィールドセールスもインサイドセールスが引き継いだ成約確度の高い顧客への訪問に絞ることができるため時間コストの削減になり、1日の商談数の増加にも繋がります。

失注の防止

従来の訪問営業や飛び込み営業では、その全てが受注に繋がるわけではありませんでした。顧客を訪問して、いざ商談を行ってみると顧客がまだ購入フェーズでなかったり、そもそもターゲットではなかったということが起こり得ます。

しかし、インサイドセールスでは事前に電話やメールなどのオンラインツールで相手のニーズや温度感を確認し、受注確度の高い顧客との商談を優先的に行うことができるため、失注の防止に繋がります。

また、非対面ゆえに相手の時間的都合にも分単位で対応できるため、商談のキャンセルも減らすことができます。

インサイドセールス人材の育成ポイント

インサイドセールスの人材を育成するポイントとして「4つの意識」が大切になります。
それぞれ確認していきましょう。

役割分担への意識

チーム全体の意識変革として、まず「役割分担」への意識を持つことが大切です。

営業活動に携わる全員が営業プロセスを理解した上で役割分担が明確になされていること、そのうえでインサイドセールスという役職がどういう役割をどこまで担うものなのか、他の役職との境界線はどこかなどをしっかり認知していることが重要になります。

分業体制を徹底することにより、担当者は自分自身のやるべきことが明らかになるだけでなく、人材育成も各プロセス毎に進めやすくなります。

情報共有への意識

インサイドセールスはチームプレイであるため「情報共有」の意識も大変重要です。

分業体制のなかでスムーズに業務を進めるためには、各部門や各担当間での情報共有や引継ぎ、相互確認などにおいて、きちんとしたルールを設けておくのが良いでしょう。

徹底された情報共有は、自分が担当する業務以外の業務理解にも繋がり、担当者間での連携意識や協力体制が強化されます。

ミスや欠点の発見もしやすくなり、営業活動全体の生産性向上が期待できます。役割の細分化に合わせて、情報共有が徹底できる環境と細かい管理体制の構築を行うことが大切です。

目標管理への意識

インサイドセールスで大切なことはアポイントメント数だけではありません。

電話数、有効会話数、商談確定数、契約数など案件の引継ぎまではKPI(重要業績評価指標)を設定して定量的に管理を行い、各部門各担当者間で進捗の共有を徹底しましょう。

定量的な目標管理は、なぜ達成できなかったのか、どうすれば達成できるのかが明確な数字として確認できるため、チーム全体で業務の最適化を図りやすくなります。

目標設定する際は「SMART」を意識しましょう。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Relevant(関連している)
  • Time bound(期限)

フィードバックへの意識

インサイドセールスで用いる電話やメール、Web会議ツールなどのオンラインツールでは顧客とのコミュニケーションを録音や録画で記録に残すことが可能なため、振り返りやフィードバック、顧客理解の手助けとして利用することができます。

話し方やトーク内容など、顧客への応対を後から見返して相互確認や第三者からフィードバックを行うことは、インサイドセールス人材を育成する上でとても大切です。

ミスがあればその場で修正することができ、良い点があればそのノウハウを全体に共有することも容易であるため、営業の質向上や個人のスキルアップに繋がります。

インサイドセールスができる人材育成における注意点

インサイドセールス人材を育成するにあたっての注意点がいくつかあります。
それぞれ確認していきましょう。

フィードバックはこまめに

アポイントメントや商談毎に顧客とのコミュニケーションを録音・録画して、こまめに振り返りやフィードバックを行いましょう。

話し方やトーク内容といった顧客への応対以外にも、業務のプロセス、KPIの進捗確認などをマーケティングやフィールドセールスといった他部門と相互確認を行い、連携が上手く取れているか、インサイドセールスが引き継ぎした顧客がしっかり受注に繋がっているかを細かくフィードバックすることが大切です。

メンタルケアを怠らない

インサイドセールスは、まだ日本ではあまり浸透していない営業手法のため、現場では確立された方法が少なく、試行錯誤しながらの業務や人材育成が多く行われています。

また、相手に断られることが多い役職でありながら、直接受注を取る、納品を行うといった機会がほとんどないため、モチベーションが下がりやすいという課題があります。

そのため、担当者に対して適切なコーチングやキャリアについてのアドバイスなどを行いメンタルケアやモチベーション管理をすることが大切です。

成功ノウハウはすぐに共有

インサイドセールスでは、顧客とのコミュニケーションは個人業務になるため、業務を行っている中で上手くいったと感じたことや成功体験はすぐにチーム全体に共有することを心掛けましょう。

成功ノウハウを蓄積することで属人化の防止に繋がり、チーム全体のスキルアップやこれからの人材育成に活かすことが可能となります。そのためには「いつ、何を、どのように共有するのか」といった、ノウハウの共有の仕組み化が大切です。

スキルアップ、営業の効率化、生産性の向上などに繋がる

今回はインサイドセールスについて「人材育成」の観点から解説しました。

インサイドセールスの人材を育成することで営業活動の分業が可能となり、個人やチーム全体のスキルアップ、営業の効率化、生産性の向上などに繋がることをお伝えしました。

しかし、上手く機能させるためには、徹底した情報共有や連携が必要となる「チームプレイ」の営業手法であるため、組織体制の見直しや意識改革が求められます。導入の際には、是非今回ご紹介した育成のポイントや注意点を参考にしてみて下さい。

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