COLUMN

成約率を上げるには?方法とコツを解説

2021.02.5

営業において、「成約率」は重要視されるポイントです。さてこの「成約率」について、みなさんはどれくらい考えたことがありますか。そこで今回は、成約率について詳しく説明していきます。
成約率の計算方法や考え方だけでなく、成約率をアップさせるための方法まで幅広く解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

成約率とは

「成約率」とは、営業におけるクロージングが成功し、契約を獲得した割合のことを言います。同義語として「商談率」「獲得率」「契約率」などが挙げられます。

成約率の計算方法

成約率を求める際には、「成約件数」と「案件全体の件数 」を事前に把握しておく必要があります。

成約率は、以下の計算式により求めることができます。

[計算式]※パーセント表記
成約率(%) = 成約件数 ÷ 案件全体の件数 × 100

ExcelやGoogleスプレッドシートを利用すると簡単に算出することができます。この場合データを保管しやすくなるため、数値の比較なども行えます。

一般的な契約の流れ

企業間でのビジネスの場合、取引が行われる際には「契約」が交わされます。契約書で同意することが一般的とされていますが、両社合意のもとであれば口約束でも契約は成立します。

契約までの基本的な流れは、以下のように進んでいきます。

(1)アポイントメントの獲得
(2)ヒアリング
(3)提案(解決策、見積もりを含む)
(4)クロージング
(5)契約

成約率をあげるためには、クロージングすることをゴールにするのではなく、最終的な契約の獲得までをゴールにする必要があります。

「クロージング」の正しい意味

クロージングとは、英語の「closing」が由来のカタカナ言葉であり、「終結、閉じる」を意味します。あらゆる場面で使われる言葉ですが、今回はビジネスにおける「クロージング」に注目したいと思います。

営業の最終局面である「契約」の直前に行われるプロセスとして用いられる言葉です。クライアントが最終的に契約や取引を行うかの意思決定を確認する場面のことをいいます。

クロージングは、やり方や進め方次第で、契約の獲得に大きな影響を与える重要なプロセスです。つまり、成約率をあげるためには必要不可欠なプロセスの一つです。

成約率を重視する理由

個人ごとの成績を比較する

社内で個人ごとの「成約率」を可視化することで、営業成績の推移や目標とのギャップを常に把握することができます。その結果から、営業での問題点を発見することにも繋がります。

また、社員一人一人がそれぞれの成約率を見ることができれば、誰に相談をしたらいいのかが明確になり、相乗効果にも繋がります。

「成約率」を可視化する際には、用途に合わせたグラフを用いることが効果的です。例えば、「棒グラフ」は、結果の大小関係を比較することに向いています。「折れ線グラフ」であれば、結果の推移を観察することに向いています。

課題のあるプロセスを発見する

「成約率」とともに「アポイント率」の結果なども合わせて可視化することで、営業におけるどのプロセスに課題があるのかを発見することができます。

例えば、「アポイント率」は高いのに「成約率」が低ければ、提案やクロージングに問題があることがわかります。

逆に、「成約率」は高いのに「アポイント率」が低ければ、クライアントへのアプローチに課題がある可能性があります。つまり、アポイント率を上げる施策を行えば更なる売り上げの向上につながるということです。

無駄のない営業を実施する

クライアントや商品・サービス別に「成約率」の記録をとっておくことで、効率の良い営業を行うことができます。

クライアントによってもちろんニーズは異なります。成約率の低い商品の提案を行ったところで契約を獲得することはできません。成約率からクライアントの好みを把握しておけば、営業の時間的コストがかかることなく、無駄のない営業を行うことができます。

自社だけでなくクライアントの時間的コストの削減にも繋がり、両社にとってメリットが生まれるということです。

成約率が上がらない理由

スケジュールが見えない

成約率の向上には、スケジュール管理は欠かせないものです。スケジュールは、自分一人が把握するだけでなく、クライアントも把握しておく必要があります。

例えば、「契約をする場合にはいつまでに結論を出したらいいのか」「契約期間はどのくらいなのか」「契約後にはいつから納品がスタートするのか」などです。

スケジュールが曖昧な状態では、クライアントは意思決定を後回しにすることになり、契約の機会を逃してしまいます。

自分のスケジュール管理はもちろんのこと、クライアントにもスケジュールが提示できているかを改めて見直してみましょう。

選択肢が多すぎる

現代ではインターネットから簡単に情報が手に入るようになったため、クライアントにとっては選択肢が多すぎる状況になっています。
クライアントが意思決定をしやすいように、選択肢の数を絞り、内容を明確化することが求められています。

ただ、選択肢を絞るあまり、自社のプランだけを提案してもクライアントは安心して意思決定をすることができません。同業他社のプランや異業種他社のプランも合わせて提案をすることで、クライアントのニーズを満たすことができます。

解決する課題がわからない

解決する必要があるクライアントの課題がわからなければ、クライアントのニーズを満たすことはできません。営業の目的は、成約率を上げることではなく、クライアントの問題を解決することです。そのためにも、営業の中でヒアリングを行うことは必要不可欠です。

ヒアリングの内容を元に、クライアントの課題を把握をした上で提案を行うことが、クライアントのニーズを満たすことになります。その結果、成約率の向上に繋がります。

契約を急ぎすぎる

クロージングのタイミングは、成約率に大きな影響を及ぼします。契約が欲しいあまり、クライアントが意思決定するタイミングを急ぎすぎてしまうと契約を逃してしまいます。

クライアントが「自社商品に興味を示しているかどうか」、「不安のない状態かどうか」などを見極める必要があります。提案の中ではクライアントが「なるほど!」と思うような瞬間を作ることや、提案後にはクライアントの不安が解消されるまでとことん向き合うことが重要です。

一方で、クライアントが納得している状態であれば、全ての内容を伝え切らずともクロージングに移っても大丈夫です。

成約率をアップさせるための方法

サービスのメリット、ベネフィットを簡潔に伝える

成約率を上げるためには、サービスのメリットだけでなく、クライアントのベネフィットを伝える必要があります。

メリット=商品・サービスのウリや特徴。
ベネフィット=メリットによってもたらされる恩恵。

いくらサービスのメリットを伝えても、クライアントが必要性を感じていなければ、成約には繋がりません。「サービスの導入によってどんな良い変化を起こすのか」などのベネフィットを伝えることで、クライアントはサービスの必要性を感じるようになります。その結果、他社との差別化を図ることができるため、成約率の向上に繋がります。

顧客の悩みや課題を引き出し解決案を提示する

クライアントの悩みや課題を正確に把握しておくことは、クライアントのニーズを満たすことに繋がります。

まずは聞き役として、悩みや課題を引き出すことにて徹してみてください。それらの課題に対する解決策を提案することは一種のクロージングになります。こちらから商品を売り込もうとせずともクライアントのニーズが満たされていれば、成約率は自然と上がっていきます。

重要なことは、営業における主役は営業マンではなく、目の前のクライアントであるということです。

トークを商談化につなげる

成約率を上げるためには、商談をまとめることも必要ですが、商談を作るまでのプロセスが重要になります。営業におけるトークには、成約につながるヒントがあちこちに転がっています。

例えば、自己紹介やヒアリングなどです。トークの内容やクライアントの反応を把握しておくことで、どのタイミングで提案をしたらいいのかを判断しやすくなります。

提案の時間はあらかじめ準備されているわけではありません。クライアントに思わず「問題解決のためにはサービスが必要だ」と思ってもらうことで、商談化の流れを作ることができます。

意思決定者が考える要件を満たす

意思決定者は、契約の判断を慎重に行います。大きな金額が動くので「できるだけ損失を回避したい」という深層心理が働いているからです。そのため、クライアントの不安を取り除く必要があります。

時には、提案に対して反論されることもあります。しかし、それは商品・サービスを利用しているシーンを想像しているから浮かんでくるものです。だからこそ、意見を受け止め、不安に寄り添い、一緒に考える姿勢を示しましょう。これらのコミュニケーションが意思決定者の要件を満たし、成約率の向上に繋がります。

テストクロージングを実施する

テストクロージングとは、クライアントに契約の意志があるかを確認することです。「もし〜であればいかがですか?」などと仮説による条件を提示した上で、クライアントの反応を伺います。その際に出た不安要素や疑問を解消し、「契約しない理由」を一つずつなくしていくことが成約率アップに近づきます。

タイミングとしては、商品・サービスの紹介やプレゼーテーションが終わった直後のクロージングを行う前です。事前の意志確認することは、クライアントの購買意欲の向上につながるからです。

ただし、あくまでも「仮」ですので、「必要がないならば、断っても大丈夫です」という雰囲気を出しておく必要があります。断る隙を設けておくことで、「無理やり契約を推し進められた」などのクレームが発生することを防ぐことができます。

まとめ

成約率を重視することは、営業における課題の発見だけでなく、営業効率の向上にも繋がります。また、成約率を上げるためには、営業での一つ一つのプロセスが重要になります。

いま一度、自社の営業プロセスを見直すことで、契約率が上がらない原因や、成約率の向上につながるポイントを社内で共有してみてください。売り上げの向上に直結するヒントが隠れているかもしれません。

Contact

ENERGIZE(エナジャイズ)へのご相談は無料で受け付けております。

arrow
arrow