REPORT

『急成長企業の組織づくりの秘密とは?』コラボレーションセミナー 弊社生嶋がモデレーターとして登壇

2020.01.29

『急成長企業の組織づくりの秘密とは?』GAPRISE甲斐社長×CUEBiC世一社長 コラボレーションセミナー開催!

[写真 左:GAPRISE甲斐社長 右:CUEBiC世一社長]

 

『急成長企業の組織づくりの秘密とは?』というテーマについてGAPRISE甲斐社長とCUEBiC世一社長からお話をいただくコラボレーションセミナーが開催され、弊社生嶋が本セミナーのモデレーターとして参加いたしました。

急成長を遂げているGAPRISE(ギャプライズ)さんとCUEBiC(キュービック)さん。両社は組織づくりにおいてどんな取り組みをしているのでしょうか?セミナーレポートをお届け致します。

行き着くのは「エントリーマネジメント」

エントリーマネジメントにおいて、生嶋から採用育成領域において「そもそも採用なのか?それとも育成なのか?」という質問に対して「ぶっちゃけ採用なのでは?」「採用は見極められないよね」と語られていました。

生嶋:
採用育成領域についてお話いただきたいのですが、そもそも採用なのか?育成なのか?どちらに力を入れていて、また、それはなぜでしょうか?

世一さん:
採用だよねと経営者の間ではよく話しています。採用で間違わなければ、後から育成のアプローチで多少はなんとかできると考えていますし、方向性がフィットする人なのかそうでないかによって活躍するまでにかかるコストが変わってくるので。

例えば、人材の特徴をグラフにしてみると縦軸に”能力があるか?”。横軸に”会社と合うか・人間性”みたいなものを入れたとしてまず、左下は採らないじゃないですか。もちろん右上は採りたいですよね。問題は左上(能力はあるが合わなそう)と右下(能力はないが合いそう)どちらを採用するのかって事ですよね。

基本的には「左上は採用してはならない」が正解とされていて、右下の人は右上に行く可能性はあるが、左上の人が右上に行くことはなかなか無いと言われています。

甲斐さん:
採用の面接にも参加させてもらうのですが、採用で自分は見極められないと思っていて、特に新卒の子達はみんないい人にみえてしまうし、来てくれて有難うと思うと誰もふるいにかけることができないですね。とはいえ採用の基準を言語化して見極めようとは思っていますがこれがなかなか難しいですね。

オンボーディングでは「Whyの伝え方」に工夫

従業員のオンボーディングに際して、「会社の成り立ちや存在意義を伝える」という”Why”の共有はどの企業でも大切にしているかと思います。一方で、その”Why”の部分の「伝え方」は会社により様々なのではないでしょうか。急成長を遂げる企業の取り組みにはヒントがあるかもしれません。

生嶋:
オンボーディングで気をつけている点や取り組みは?

甲斐さん:
まずは3日間、フルフルで会社の成り立ちや存在意義の”Why”をしっかりと伝えますね。うちはポートフォリオ自体が変わってきてるので、会社のVISIONやミッション、誰が取り組むのか、どういうカルチャーなのかを1人あたり2時間くらいかけて伝えています。よくある講義形式だと、学校と同じで退屈になり眠くなるじゃないですか。なので対談形式で行っています。また、個人のVISIONにも向きあって自己実現と会社の方向性を合わせることも意識していますね。

世一さん:
キュービックの理念は「ヒト・ファースト」なのですが、お恥ずかしながら誤解が多い言葉です。1番多い誤解が「従業員が一番」だと思ってきてしまう方が多いこと。その誤解を解くことが大事な仕事になっていますね。オンボーディングセッションを最初の1、2週の中でやらせてもらっていて、会社の歴史の話をします。何事も「背景共有」が大事だと思っていまして。例えば、いつも朗らかでいい感じのAさんが、むすっとした感じで話しかけてきて「なんだよ」と思ってしまいそうなところを、「実はAさん、昨日こんなことがあって大変だったらしいよ」と背景を聞くと「それならしょうがないか。今週はサポート必要だな」と理解が進むじゃないですか。背景を聞かないまま自分の心情と思想で、ある文化(会社)に入ったときに何かとぶつかりそれが正しい正しくないの話になると収集がつかなくなるので、なるべく背景や歴史をわかってもらう時間をとっています。

例えばうちはクレドが4つあり、その中に「プロフェッショナルであろう」というものがあります。当たり前のことをわざわざクレドに入れる必要はあるのか議論はありましたが、事業ドメインがクライアントワークではないので、自分たちで律して仕事の質を高めていかないといけないし、組織特性上在籍メンバーの大半がインターンなので、あえて掲げています。ただクレドに「プロフェッショナルであろう」があるから伝えるのではなく、こういった背景があるからこれにしたと伝えるのでは響き方が違いますよね。

従業員のエンゲージメントと業績

参加者の方から「大企業に共通した悩みで、『若手のエンゲージメントが低い』という話がよく出てくるのですが、エンゲージメントと業績の関係がどう見えているか?つまり、エンゲージメントが高いと業績があがるのか、業績が良いとエンゲージメントが高くなるのか、御社ではどちらの因果関係が働いていると見えていますか?」と質問がありました。エンゲージメントに対する考え方や、エンゲージメントを上げることが目的になっていないか注意が必要と語ります。

世一さん:
エンゲージメントと業績は短期的には結びつかないと考えています。大きなトレンドではエンゲージメントが低い会社よりも高い会社のほうが最終的に成果が出ると思います。エンゲージメントに関しては「エンゲージメントが何に紐づいているか?」が大事だと思っていて、例えば社内に対しては低くても、顧客に対して高ければ一生懸命やって成果を出すかもしれないし、理念の共感が高くて目の前の仕事が未来につながっているか見えづらくても何とか頑張ろうとなるかもしれない。エンゲージメントを少し切り分けて細分化して、どこが高める必要があるのか?この事業だとどうなるのか?考えてみても良いのではと思っています。

甲斐さん:
エンゲージメントをスコア化できるシステムを入れていますが、数字が上がるとエンゲージメントは上がります。ただスコアとして数字が出ると、スコアを上げることに目が向いてしまうことがあって、エンゲージメントを上げる動きがお客様に向いていないことが多々あります。なのでもちろんスコアを上げる取り組みはやり続けるが、点数を上げに行くものとそうでないものを理由と共にしっかりと言語化して社内に共有しています。例えば、人事評価の納得度。うちの会社は自分たちで目標を定量化して設定しているので、評価はそれに対してどうだったかの事実のみです。納得度はそこには関係ない。他には経営戦略に対する納得度ですね。あなたの納得度によって経営戦略は変わらないからと伝えています。経営戦略については共有するようにしていますし、納得できないのであればその時に言ってくださいと。「スコアを上げるための時間は設けていません。エンゲージメントに関して見るものと見ないものがあります。」と、それを宣言することが重要かなと思います。

まとめ

今回は『急成長企業の組織づくりの秘密とは?』というテーマについて語っていただきました。採用、オンボーディングにおいてGAPRISEさんとCUEBiCさんは様々な取り組みをされていました。急成長を遂げる中でも「情報伝達がうまくいかない」「変化するプロセスで退職していく人はいた」等の苦労はあったそうです。本セミナーでは、

・採用において、どちらか1つだとしたら”能力”よりも”会社に合うか、人間性”で採用する
・オンボーディングでは会社の歴史や背景を時間を取って伝えること
・エンゲージメントはただ高い低いだけではなく、「何に紐づいているか」「会社として何を見るか」を明確にした上で議論していく

上記の3つは成長する組織をつくるうえでのヒントになるのかもしれません。

= = = = = 登壇者プロフィール = = = = =

甲斐 亮之

株式会社 GAPRISE CEO
1980年宮崎県延岡市生まれ。2005年にギャプライズへ参画。
ECサイト設計・構築・運用・プロモーションを中心に、プロデュースからディレクション、ランディングページ構築までマーケティングを包括的に担当。2010年より執行委員WEBマーケティング責任者としてマーケティングサービスを総括。2013年より代表取締役に就任。

世一 英仁

株式会社CUEBiC CEO/Founder
2005年に東京大学法学部卒業後、弁護士を目指して司法試験に打ち込む傍ら、デジタルマーケティング事業をスタート。2006年には司法試験に区切りをつけ事業を法人化。フィールドワーク重視のマーケティングが特徴。表面的なニーズではなくインサイトを的確に捉え、人々をよりスムーズな課題解決へと導く。

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