事業内容 | WEBマーケティング事業 ビジネスコンサルティング事業 メディア事業 自社プロダクト事業 |
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従業員数 | 約27名(パート・アルバイト含む) |
インタビュー日時 | 2023年4月 |
HP | https://www.sen-do.co.jp/ |
「MAKE LOCAL COOL」をコンセプトに、地方都市の活性化を目指して活動しているセンド株式会社様。
現在は、WEBの販路拡大を目指している地域企業様に対して、戦略策定、実行支援をハンズオン型で行うコンサルティングを主力サービスとしており、多くの企業様の売上拡大を実現されています。
今回は
「トップコンサルタントのノウハウを体系化するプログラム(Take Off Project)」
と
「メンバーが自立的に行動し、自分たちで働きがいを向上させるプログラム(IPH Project)」
を行ったご感想を、
センドグループ株式会社 代表取締役CEO 品川 純一 様
センド株式会社 代表取締役 笠井 聡成 様
に伺いました。
ENERGIZEのコンサルティング導入当初、どのような課題を抱えていましたか?
品川さん:
導入したのは、メイン事業であるWEBマーケティング・コンサルティング領域が順調に成長していた時でした。
売上・利益は共に過去最高を達成。中期経営計画で定めたKPIはほぼ達成しており、事業の結果としては非常にうまくいっていました。
ただ、急激な業績の伸びに合わせて組織を拡大したため、組織面で目に見えないゆがみが生じていました。ゆがみとは、「考えない社員が育ってしまう環境」になっていたということです。
弊社は、メンバー間の関係は非常に良好な会社だと思います。仲が良く、仲間を大切にする自慢のメンバーです。ただ、急激な組織拡大はメンバーに大きな負荷がかかり、とにかく日々のタスクをこなす、といった状況になっていました。
「このまま業績だけに目が行き組織面を放置してしまうと、いずれ会社を崩壊させる大きな問題になる。」という、危機感���問題意識を抱えていました。
笠井さん:
当時の弊社は、未経験メンバーが活躍できるような組織ではありませんでした。基本的にはベテラン勢がお客様との仕事で前面に立ち、未経験メンバーがベテラン勢から指示を受けサポートをするという構造でした。
そのため、メンバー同士がクライアントの成果のために対等な関係で“仕事”をするという環境ではなく、言われた“作業”をしていた状況でした。自ら考えて行動し成果を上げる。そういった、仕事を通じて得られる達成感・やりがいを感じられるような状況ではなかったと思います。
また、基本的に何かを決定する際には、すべて品川、笠井のいずれかが関与しないと決まらない、進まないという状況でした。そのため、何らかの問題点が発生してもメンバーが意見をする環境ではなく、解決に向かって物事が進まないという状況でした。
導入を決定した決め手は何でしたか?
決め手としては、事業の拡大を一旦止めて、次の三年間は徹底的に社内に向き合うという決断をしたタイミングと、ご提案いただいたタイミングが重なったことです。先の通りの状況でしたので、当時の売上は、品川、笠井が受注し、関与しているお客様が大半を占めていました。
そのため、万が一私たちが倒れてしまったら会社が存続していけないという状況でした。今の社員、これから増えていく社員たちを、このまま二人だけで支え続けていくのは難しくなってくる。
会社を継続的に成長させるためには、属人性を排除し、サービスを均質化する必要があると考えていました。
そんな中で、ENERGIZEさんから「WEBマーケティング・コンサルティング事業の、トップコンサルタントのスキルやノウハウを体系化・標準化する」というご提案をいただきました。まさに私たちが求めている内容をご提案いただき、とても運命的なものを感じ、導入を即決しました。
トップコンサルタントの体系化プロジェクトを進めていく事で、事業領域の体系化は順調に進み始めました。それまで個人に溜まっていたノウハウを可視化し、言語化し、トレーニングしていく。
我々が提供するコンサルティングが形成されるプロセスは、とても学びがありました。
コンサルの体系化は進んでいましたが、カルチャーに関する課題は引き続き抱えていました。表面的に仲が良いという関係性だけでなく、もっとメンバーが対等に意見をぶつけ合い、クライアントの成長に皆で向き合い、成功も失敗も皆で経験できる、仕事にやりがいを感じられる会社にしたい。
そのためには何が必要なのか?そんなことを自問自答する毎日でした。
ですが、それまでの自分たちは事業を成長させることにコミットしてきたため、組織づくりやメンバーの成長支援に関する知見はなく、感覚でやっていました。そんな時に、佐々木さん(弊社 佐々木博規)に、顧客満足も、生産性も、働きがいも高めようとするセムコスタイル*1の考え方を教えていただきました。
おそらく、佐々木さんが我々の悩みを察知してくれたんだと思います。自分が求めていたのはこれだなと感じました。
メンバー全員にセムコスタイルの考え方に触れさせてあげたい。そしてこのメンバーを中心に、これからのセンドの組織・カルチャーを作っていきたい。
そう思い、IPHのプロジェクトを追加で導入することを決断しました。
*1:セムコスタイルとは、顧客に対して迅速に対応できるように、チームや個人が自らの才能を発揮しながら、自分たちで決め、行動できるように促していくマネジメントスタイル
コンサルティングを導入したことで、どのような成果が出ましたか?
品川さん:
定量的な成果としては、下記のような結果が出ました。
・WEBマーケティング・コンサルティングで、それまでは品川、笠井のみがご契約いただく状態から、1年間でメンバー主導で6件ご契約。
・若手メンバーの担当案件数が平均2件から、平均8件に増加。
・社内の会議で品川、笠井が進行する会議が100%の状態から、4ヶ月で10%に減少。
・メンバーが自分たちで、組織内の課題解決に向けた取り組みを立ち上げ、現在も3件続いている。
定性的な成果はたくさんありますが、一番嬉しいのは、イキイキと働いてくれているメンバーが増えたことです。作業ではなく、チーム、お客様のために自ら考え、行動してくれるようになりました。
少しずつではありますが、我々がやっている仕事に誇りを持ち、やりがいを感じてもらえているのではないかと思っています。すごく手応えを感じています。
自分自身も変わりました。変化していくメンバー一人ひとりを信頼するようになりました。
以前の自分は、組織に問題が起こった際に根本的な問題を自分で特定し、解決策を考え、自らで解決に動いていました。メンバーだけで解決するのは無理だと決めつけていたんだと思います。
だから、細かなところまで全てチェックしなければ落ち着きませんでした。メンバーを本当の意味で信頼していなかったんだと思います。
結局は、以前の会社の状況を作っていたのはメンバーを信頼しない自分自身の問題だったと思います。まず自分が変わらないといけないと痛感しました。
信頼するということは、言葉で言うほど簡単なことではなかったです。
「問題が放置されていないか?このスピード感で本当に大丈夫だろうか?クライアントからの信頼を失っていないだろうか?」という不安が常につきまとっていました。それは本当に苦しいことでしたが、メンバーを信頼し続け、任せ続けた2年間でした。任せる中で、メンバー達にももちろん負荷がかかっていたと思うし、苦しいこともあったと思います。
皆本当によく頑張ってくれました。
笠井さん:
私から見る定性的な成果としては、個の集団からチームになり、メンバー間で助け合いが起こるようになったことです。
これまでは「一人でやれるのがかっこいい」という自分のエゴを大切にして、あまり同僚のアドバイスをもらいにいかない雰囲気がありました。それが今では「みんなで顧客インパクトを上げるほうがかっこいい」という考え方に変化し、自社のリソース全てを使って顧客に向き合っているように感じます。
また、メンバー同士での相談や、メンバーから私への相談がある際に、その相談の質も明らかに変化しています。
これまでの相談は「起こっている事実の共有のみ」が多い状況でした。それが今では、「私はこうしようと考えますがアドバイスをいただけませんか?」と自分なりの見解を持った状態で話し合うようになりました。
結果、解決に至るまでが明らかに早くなっていると思います。
最後に、社内コミュニケーションも変化しました。これまで自社の会議では、特定のメンバーだけが発言し、その他のメンバーは黙っている状態でした。発言しなかったメンバーは「こんなこと発言して良いのかな」「こんなことを言ったら会議の流れを止めてしまうかな」と恐れや不安があったのだと思います。
自分を含め、そういう恐怖や不安を与えてしまっている人たちから積極的にコミュニケーションを変革しました。
その結果、今では会議でもメンバーからどんどん発言が生まれていますし、アクションすらもメンバーが自分たちで決め、物事が前進しています。
その他にも、社内チャットや全社会議の場でも、メンバーから全社に向けた発信が明らかに増えました。メンバーの変化を通じて、組織が変わっていることを実感しています。
困難やうまくいかないことがある中でも、ENERGIZEとのプロジェクトを継続したのはどうしてですか?
品川さん:
プロジェクトを継続した理由の一つ目は、私達二人の経営者としての覚悟です。会社を絶対に進化させたいという想いです。これがなかったら、心が折れてたと思います。
二つ目は、メンバーや組織の変化を実感することができたからです。私たちがVMVで掲げている理想の会社に近づいているという手応えを感じることができました。
ENERGIZEさんと掲げたすべてのKPIが達成できたわけではありませんが、日々彼らが与えてくれる小さな変化は、僕と笠井に勇気をくれました。
最後に、自分たちの力だけではこの変化は出せなかったというのも大きな理由の1つです。ENERGIZEさんの確かな知見で第三者の立場から話してもらうからこそ、直面すべき課題に逃げずに向き合うことができたと思っています。
笠井さん:
私の意見を付け加えると、コンサルタントの二人がプロフェッショナルだったことも理由の1つです。
佐々木さんは、プロジェクトの最初のアウトプットからプロフェッショナルを感じました。ファシリテーション、準備物、場の作り方などを見て、この人に任せたら大丈夫だという安心感がありました。
また、お仕事をスタートした当時、新卒2年目の郁弥さん(弊社 西田郁弥)は、私たちの期待に応えるためなら、たとえ自分が準備してきたアウトプットを全て捨ててでも、私たちに向き合い続けようとしてくれました。
普通は、自分が時間をかけて考えてきたもので進めようとすると思いますが、彼はそうではありませんでした。その時々の私たちのニーズに対して、最適解は何かを考え続け、提案し続けてくれました。
二人のサポートがあったことで、組織としてのポジティブな変化を毎月実感していました。
ENERGIZEを、他にどのような企業におすすめしたいですか?
一言で言うと、なにかしらの悩みを抱えている企業です。
もう少し詳しく言うと、
・エース社員に売上が偏っていて、分散化/標準化したい企業
・活発な意見が飛び交う組織にしたい企業
・とても優秀メンバーがいるのに、ポテンシャルの発揮を何かが邪魔していると感じる企業
・カルチャーを固めていきたい企業
・部活みたいにみんなで一つのゴールに向かって熱狂する企業を目指したい企業
ですね。
品川さん、笠井さん
インタビューをさせていただきありがとうございました。
プロジェクトをご一緒する中で最も印象的だったことは、リーダーであるお二人が「自分たちがまず変わる」と仰り、変革を決断されていたことです。
その上で、メンバーの成長/働きがいを常に考え続ける姿に、私たちは勇気とエネルギーを頂きました。私たちに対しても常に対等な立場でお仕事させていただいていることに心より感謝しております。
いつも本当にありがとうございます。