魅了的なビジョンを掲げる

何かとんでもないことを成し遂げられる組織を作れそう!

2021.01.15

「THE VISION」を導入した企業の経営者にそのメイキングストーリーを紐解いていくシリーズ。

今回はマーケティングの支援事業をはじめとした複数の自社事業を展開する、株式会社ARETECO HOLDINGS (2016年創業)を紹介します。
なぜARETECO HOLDINGSの高木健作社長は、コストをかけてでも、ビジョンメイキングを導入しようと決意したのでしょうか。

「事業が多角化すると、思考や行動の「基準」を保つことが難しくなります。異なる事業部であっても、同じ会社の一員として価値観を共有するために、何かできることはないか。そんな課題を感じていました。」

ARETECO HOLDINGSの高木健作社長が選んだのが、ビジョンメイキングでした。

高木社長が意識したのは、単なる行動基準ではなく、それを見ただけでワクワクし、エネルギーが湧きでてくる言葉を作ること。会社の事業が多角化するタイミングで、どのようにして意思決定の基準を定めていったのでしょうか。

その経緯について、お話を伺いました。

■クライアント名
株式会社ARETECO HOLDINGS

■代表者
代表取締役 高木健作

■事業内容
マーケティング企画・支援事業
マーケティング教育事業

■従業員数
100名(2020年12月現在)

■インタビュー
代表取締役 高木健作 様
取締役   武田勝成 様

■インタビュー日時
2020年12月

■HP
https://areteco.com/

Q:事業内容を教えてください。

弊社は、マーケティングの支援事業と、自分たちで事業を立ち上げていく二つの柱があります。

マーケティングの支援事業に関しては100%成果報酬で、クライアントのビジネスに対して自分たちでマーケティングの企画をして成果に対して報酬をいただく形態をとっています。

自社事業の観点だとあの歯科矯正ブランド「キレイライン」、瞑想アプリ「Relook」、化粧品のメディア「shadon」、化粧品の「フィレリーナ」など、自分たちでブランドを作り、新しい事業を創造していっています。

Q:創業年数と、現在の社員数について教えてください。

2016年創業で現在の社員数は100人ぐらいです。

Q:導入する前から、会社のミッションなどはあったのでしょうか。

ありました。創業当初から、ミッション・ビジョン・経営理念はありました。随時作り替えたりして現在に至ります。最初のものは対内的で、自分たちがどうなりたいかという意味合いが強いものでした。二つ目に作ったものは「いま、ここでよく生きる」という考え方と、「世界の需要と供給をつなぐ」という対外的なものがありました。ただ、ちょっと抽象的で共感を呼びづらいような面がありました。
当初は創業メンバーで決めて、希望者集めて役員で決めたかたちでした。

Q:今回、エナジャイズの「THE VISION」を知ったきっかけは?

もともとは、エナジャイズにセムコ社の経営スタイルを学ぶ目的で依頼をしたのが直接のきっかけです。
また、社内に「すごい会議」の元メンバーがいて、その同僚の永井祐介さんさんと紹介で繋がっていたこともありました。また『奇跡の経営』を翻訳した作家さんに連絡をして個人的にコーチングを依頼していたこともあり、その流れのなかでビジョンメイキングに出会いました。

Q:当初、意図していたビジョンメイキングのゴールは何でしたか?

大きく二つあります。
一つが全社員で意思決定の基準になり得るような、思考や行動の基準になる何かがあるべきだと考えていました。ともかく皆の基準になるものであること。

二つ目は、それによってみんなエンパワーされるもの。それを見ただけでわくわくし、エネルギーが湧くもの。

この二つの要素で、良いものができたらいいなと考えていました。

Q:ビジョンメイキングセッションへの参加者などのように選ばれましたか。

今回は結果的に10名ほどが参加したのですが、基本的には希望者を幅広く募集しました。
強く作りたい、関わりたいと思う人間であれば、入社したばかりであっても参加OKとしました。
対面で会議室に集まり、「THE VISION」認定ファシリテーターを招いて、全6回、10名程度で開催しました。

Q:ビジョンメイキング期間中にどんな変化や気付きがありましたか。

今回取り組んだのは、新しい何かをつくるというよりも、アレテコや私がもともと持っている考え方をできるだけたくさん拾い集めながら言語化することでした。すでにアレテコの中に存在するものを、拾い上げて形にするようなイメージです。
参加者も、「アレテコってこうだよね」「こういうところあるよね」と自由な意見を出していくなかで、アレテコらしさというのが言語化されて共通認識されてきましたね。僕自身もあらためてアレテコの特殊性やアレテコらしさに気付かされる場面が多々ありました。

例えばアイデンティティである「The Thinker」は「本質を追求する」というところから生まれたのですが、当初「本質を追求する」という言葉はなくて、アレテコの変なところ・変わっているところを出していくときに、自分たちも気づいていないアレテコらしさに気づくことができましたね。これはメンバーにとっても意識の変化につながったと考えています。

Q:「THE VISION」のコンセプトとして「公共性/公共的未来像」という言葉とどのように向き合いましたか。

「公共性」や「公共的未来像」は、確かにもっとも苦労したポイントかもしれません。
そもそも私たちの発想として「この世界はこのままでかまわない」という価値観がありました。何か問題を解決するとか、「これはここがおかしいから、こういうふうに変えたい」みたいな意識が、良くも悪くもなかったのですね。

しかし、公共性と言われたときに、何の軸を持って公共性かということが何度議論しても出なくて、例えるなら「正義って何だろう」という話に近いイメージでした。かといって、自分たちがやりたいことだけをやるのも違うし、それって楽しくないよねと。

結局、最終的なビジョンは「想像に満ちた世界」になったのですが、自分たちが思い描いた「こういう社会がいいよね」を作ることで、それがもう社会的意義でよいだろう、というところに落ち着きました。
自分たちはこうあるべきだと思うものを信じてやる、という結論に至りましたね。

Q:ビジョンメイキングが終了したのは2020年8月ですが、そこから4ヶ月でどんな変化がありましたか。

僕が社外の方に話すと、良い反応を多くいただくことが増えましたね。

アレテコはそれまで個人主義の側面が強く、自分のために頑張るという価値観が根強くあったのですが、そこにプラスαとしてアレテコらしさ、アレテコならばこうしようという判断軸が新たに出てきたと言えますね。

Q:ビジョンメイキングを経て、ビジョンやミッションに対しての印象はどのように変わりましたか。

ビジョンとかミッションというものには、色んな考え方や想い、なぜその言葉になっているのか、そこに至るまでの経緯などが多く詰まっているのだなと考えるようになりました。

私たちのつくったビジョンやミッションも、字面だけ見るといまいちよくわからないこともあるかもしれません。1分間説明しても、「ああ、なるほど」ぐらいの反応しかないでしょう。しかし、これが1時間説明すると、そこに埋め込まれているいろんな考えが出てきて、より深く理解してもらえると思います。何なら、十時間ぐらい説明できるかもしれません。

それくらいの想いが詰まっているから、一言一句こだわっている。それがビジョンでありミッションなんだ、という印象に変わりましたね。

Q:エナジャイズを外部ファシリテーターとして迎え、ビジョンメイキングを行なうことについてどんな影響がありましたか。

一番は、この時間を強制的にとることの良さだと思います。ビジョンやミッションが大事だということはわかりつつ、なかなか時間がとれないですよね。それに会社のエース級のメンバーが集まって、毎回4〜5時間話すということは、それだけリソースをとられるということです。もし自社だけでやっていたら途中で諦めてしまうかもしれません。
そこに外部のファシリテーターが場を取り持ってくれることで、時間をつかって参加しようという意識になりますね。
強制的に皆の時間を使うことに大きな意義があると思います。

Q:今後、どんな可能性を感じますか。

今回つくったものを社内では「理念体系」と呼んでいるのですが、社員全員がこの理念体系をもっと理解する機会を増やそうと考えています。

理念体系はかなりハイコンテクストなもので、一人一人の行動にまで入り込んでいくことができます。この理念体系を大事にすることで、すごくいい組織になると考えています。最終的に、私が思い描いている理想の組織に近づいていけることを期待しています。

Q:最後に、ビジョンメイキングに興味がある企業におすすめのポイントがあれば一言お願いします。

ビジョンメイキングは、自分たちの会社の一番根本の部分を振り返る良い機会です。ビジョンメイキングをきっかけに、日頃なかなか持てない時間をとってみることで、良い変化があるのではないでしょうか。(了)

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