NEWS

「奇跡の組織」刊行記念トークイベント開催!【前編】セムコはティール型組織ではない?

2019.12.23

「奇跡の組織」刊行記念トークイベント開催!

 

企業における競争戦略論の第一人者である一橋ビジネススクール国際企業戦略専攻教授であり「ストーリーとしての競合戦略 優れた戦略の条件」の著者である楠木建氏と、弊社代表 秦卓民のトークイベントが丸善・丸の内本店にて開催されました!

セムコスタイルとは、ブラジルにある約50年前につくられた会社で、父親から会社を受け継いだ2代目のリカルド・セムラー氏が様々な取り組みをする中で生まれた経営スタイルのことです。

現在、セムコ社は、「階層・組織図なし」「戦略・計画・予算なし」「人事部なし」「企業理念なし」「決まったCEOは不在」でありながら、「平均売上成長率は年147%」「離職率2%」「就職人気企業ランキングNO.1」と、そんな会社本当にあるのか!?と疑いたくなるほどの会社です。

 

その経営スタイルはいかにして実現されているのでしょうか?

 

本稿では、そんなセムコ社のような「社員がイキイキと働くような組織」をどうやったら作れるのか?が書かれた新たな書籍「奇跡の組織」の刊行記念トークイベントでディスカッションされたことをお届けいたします!

 

セムコスタイルモデルを映画「大脱走」になぞらえて

 

トークの冒頭で「建さんが考える奇跡の組織とは?」と聞かれた楠木氏。

「前提、私は組織に所属したくないのですよ。ただ、こんな人間でも『ここだったら仕事したい』と思える組織だった。『ラーメンは好きではない』という人が『このラーメンは美味しい!』と言っているならばそれは相当美味しいんだろうなと。それと同じ話だと思って聞いてほしい。」

「組織モデルのあり方と通じる1つには、The Great Escape『大脱走』というスティーブ・マックイーンが出ている映画で、これは戦時中にドイツの捕虜収容所に入れられていた連合軍の兵士がそこから脱走する出来事を映画にしたもの。戦時中だから嫌なんだけれども、こう言う組織だったらちょっと自分もいたいなと思わされたのね。どういった特徴を持っているかいくつかいうと、

 

①目的がはっきりしている(脱走して自由を手にいれる)

②強いリーダーがいる(絶対のリーダーがいる)

③目的(脱走)のための分業が自制的に起きる(誰かが分担するのではなく、その人が得意なことを行う)

「分業されているけど分断されていない」

④仕事に終わりがある(脱獄したら「はい解散」という仕事はここまで感がある)

この『仕事が終わりました、じゃあね』といったような終わった感がすごく好き。」

 

と、1つの映画を引き合いに出して語っていただきました。

 

セムコスタイルは「ティール型組織」ではない!?

セムコスタイルは、日本では2006年に出版された「奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ」を皮切りに「ティール型組織」と呼ばれ話題となりました。

「縦割りの組織ではなくフラットな組織」「給与は自分たちで決める」といったような、一見自由で働きやすい会社という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
トークの一部をお伝えします!

——————————————————————————

弊社秦:「ティール組織」って本をご存知の方ってどれくらいらっしゃいますかね?6割7割くらいですかね。
その中のいくつかのストーリーにセムコ社が出てくるんですけれども、セムコ社自体は私たちティール組織だとは思っていないんですよ。 何かフラットにすることをゴールにしていないですし、給料を自分たちで決めることがいいとは思ってないんです。

一番セムラーがしたかったことは、『どうやったら会社の中に眠っている知性が出てくるのか』ってことで、 この場にいる全員のアイディアや知識がどうやったら出てくるのかなって全員で会話した結果、今のかたちになっているので、時代が違えば形はまた変わっていたかもしれない。

 

楠木氏:それはポイントで、セムコが世の中で注目された時って、ちょうど10年前くらいでしたよね。 セムコっていう会社がそのやり方を確立して、それが続いていてセムコが注目されて事例研究されて、『こういう会社みたいになりたい』って言われた時に、多くの会社が失敗したんです。

例えば、給料を自分たちで決めるとか、仕事を自分たちで選べるとか、ぱっと出てくるベストプラクティスみたいなことを取り入れようとなったので崩壊したんですよね。

セムコの場合は、全部、究極の目的みたいなのがはっきりしていて、それを達成するための手段として、未来永劫ではなくある時に採用されたのが、例えばそういう給料の決め方とかだったということなので、そこは肝心なところですよね。

——————————————————————————-

セムコ社自体は自分たちのことを「ティール型組織」と思っていないそうです。弊社 秦も「セムコ社の組織モデルを研究した人たちが『ティール型組織』と名付けて呼んでくれているだけで、何か組織をフラットにしたり給与は自分たちで決めたい訳ではない。

一番は『どうやったら会社に眠っている知性が表に出てくるのか?』を考え、それを表に出してもらえるように取り組んだ”結果”としてフラットな組織になり、給与を自分たちで決めることになっただけ。」と語っておりました。

 

このセムコでは下記の4つだけとても重要なことがあると言っております。

①魅力的なVISIONがあるか
②お客様と従業員をファンにしているか
③学習する組織であるか
④Quality Of Life(働く人のライフスタイルにあわせてワークスタイルが決まる)

これらの4つが最低限重要な原則で、会社によって働き方が異なるため「4つのポイント以外は、その会社に合わせた働き方で良いのでは?」という考え方だそうです。

 

楠木氏も「人事評価や仕組みの施策は異なっていても、達成したいことは同じという会社はちらほら今までもあった。セムコっぽく働いている会社さんはあるが、ひとつひとつ見ていくと会社ごとに要素は違うんだよね。」と仰っておりました。

奇跡の組織の実現においては、同じ取り組みをただ取り入れるのではなく、この4つに沿った取り組み方を会社ごとに決めていけばよいということです。

 

「手段の目的化」による失敗

——————————————————————————-

弊社秦:やっている例だけを取り入れてしまう会社が多いですね。「どうやったらフラットにできますかね?」よくこう言った相談を受けることがあります。

 

楠木氏:手段の目的化によってトンチンカンになっているもので、どこかでミニマリストの生活が良いと知って「俺は持っているものは57個だ」「いや俺は50個で靴も履かない」と言っていてなんのために生きているのかわからなくなっている人がいる。

 

高森氏:ある砲丸投げをしている女子中学生をコーチングしている人がいて、この女子中学生が日本一になりたいと。じゃあまず自分との約束を守れる習慣をつけようと「皿洗いを毎日する」ことを約束したのですね。

彼女は毎日それを続けて、どんなに体調が悪くても、1枚だけもいいから皿を洗っていたそうです。で、結果として全国優勝してその時のインタビューで優勝した秘訣は何か聞かれて「毎日皿洗いしたことです」と答えた。

そうすると翌年全国の女子中学生がこぞって皿洗いを始めたそうです。そうするとメディアでも「皿洗いで握力が鍛えられたのでは?」と言い出したりして…

 

楠木氏:それは後からの設定で幻想ですよね。手段と目的の関係を取り違えてしまうとセムコはうまく学べない。この辺を履き違えて経営を失敗する企業がいる。「何が手段で何が目的になっているんだろう」という観点で見るとセムコのものすごい規律がみえてくる。

——————————————————————————-

 

すでに成功している事例から学ぶことは何事においても非常に重要ですが、本来の目的を見失い形式に囚われていると大きな勘違いに繋がりかねない、そんな事例を身近なお話から教えていただきました。

組織改革のような様々な人が関わる領域だからこそ、全社員共通の唯一の目的を設定し、そこから外れない施策を考え続けることが非常に重要なのではないでしょうか。

 

では、セムコスタイルのように、どうやって人がイキイキと働ける組織を実現できるのか?

【後編】ではその具体的なところに迫ります!

 

よりセムコスタイルを詳しく知りたい方へ

『奇跡の組織』をお読みになられた経営者様向け特別セミナー開催!

『奇跡の組織』をお読みになられた経営者様向けに特別セミナーを開催いたします。
詳細は下記よりご確認いただけます。

SEMCO STYLE奇跡の組織ファーストステップセミナー
※セミナー詳細ご案内ページへと移ります

 

「奇跡の組織」書籍のご案内

弊社代表 秦卓民による書籍『奇跡の組織「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則』が発売中です。
今回のイベントでも「セムコスタイルってどんな組織なのか?」「セムコスタイルが大事にしていることは何か?」等についてディスカッションされました。この書籍では「セムコスタイルつは何か?」「セムコスタイルのコンセプト」についてより詳細に書かれています。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
奇跡の組織「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則
著者:秦 卓民
出版社:光文社
発売日:2019年10月22日
価格:定価(本体1,600円+税)
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

Contact

ご相談は無料で受け付けております。

arrow
arrow